AIO対策の役割分担の基本:事実を持つ人が書く

AIO対策の役割分担は、事実を持っている部署が内容を書き、Web担当がサイトに載せて技術面を確かめ、経営者が公開の判断と優先順位を決める形が基本です。AIO対策とは、GoogleのAIによる概要やAIモードなど、AIの回答で自社の情報が正しく扱われるように、サイトの情報を整える取り組みです。

AIO対策をWeb担当1人に任せると、手が止まりやすくなります。料金の条件は営業が、施工や手順の実際は現場が、会社の方針は経営者が知っていて、Web担当だけでは書けない情報が多いためです。

Googleは、生成AI検索向けの最適化もSEOの一部で、AI向けの特別な書き方や特別なファイルは必要ないと案内しています。つまり、社内で分担する作業は、AI専用の作業ではありません。お客様の役に立つ正確な情報を、決まった人が書き、決まった人が更新し続ける体制をつくることが、AIO対策の役割分担の目的です。

この記事は「誰が何を受け持つか」に絞って説明します。AIO対策そのものの考え方や、企業情報・コンテンツの書き方は、それぞれ別の記事で扱っています。

参考:Google:Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する

分担する作業の一覧:Googleの案内から5つに分ける

社内で分担するAIO対策の作業は、企業情報、FAQ、一次情報、構造化データ、計測の5つに分けると整理しやすくなります。この5つは、Googleが生成AI機能向けの案内や、役に立つコンテンツの作り方の案内で示している考え方をもとに、実務の単位に分けたものです。

作業中身根拠になるGoogleの考え方
企業情報会社名、所在地、事業内容、代表者、営業時間などビジネスプロフィールで店舗やサービスの情報を管理する
FAQお客様からよく受ける質問と、その答え人を第一に考えた、役に立つコンテンツを作る
一次情報自社の手順、条件、調べた結果、経験独自の視点や専門的な経験にもとづく内容を書く
構造化データページの内容を機械に伝える記述生成AI検索には必須ではないが、リッチリザルトのために使う
計測Search Consoleなどで表示や流入を確かめる生成AIパフォーマンスレポートで表示状況を確かめる

Googleは、生成AI検索のためにやらなくてよいこととして、llms.txtなどの特別なファイルの作成、文章をAI向けに細かく分けること、AI向けの書き換えなどを挙げています。社内の作業の一覧に、これらを入れる必要はありません。

また、どの作業をしても、AIの回答に引用されることは保証されません。Googleは、AIによる概要に表示される前提として、インデックスに登録され、スニペットを表示できることを挙げていますが、それを満たしても表示は保証されないと案内しています。

役割分担表:決める人・書く人・確かめる人

役割分担は、作業ごとに「決める人」「書く人」「載せて確かめる人」を1人ずつ決めると、抜けと重なりが減ります。以下は、社員10〜50人ほどの会社を想定した実務上の一例で、Googleが示している分担ではありません。

作業決める人書く人載せて確かめる人
企業情報経営者広報・総務Web担当
FAQ営業の責任者営業・問い合わせ窓口Web担当
一次情報部署の責任者技術・現場の担当Web担当、経営者が公開を判断
構造化データWeb担当Web担当(制作会社)Web担当
計測経営者が見る数字を決めるWeb担当経営者と月に1回見る
AIO対策の役割分担の流れ
事実を持つ部署が書き、Web担当が載せ、経営者が判断する

小さな会社では、経営者とWeb担当を同じ人が兼ねることがあります。その場合でも、「書く人」と「確かめる人」は分けると、思い込みによる誤りに気づきやすくなります。

経営者の役割:目的と公開の判断

経営者の役割は、AIO対策で何を伝えるかを決め、どの情報を公開してよいかを判断することです。会社の方針、料金の考え方、対応しない範囲のような情報は、経営者が決めないと誰も書けません。

経営者が受け持つことは、次のとおりです。

  • 自社の事業を一言で説明する文を決め、社内で統一する
  • 料金・条件・実績など、公開してよい情報の範囲を決める
  • 作業の優先順位を決める(たとえば「まずFAQ、次に事例」)
  • 月に1回、計測の数字と問い合わせの変化を見る
  • Search Consoleとビジネスプロフィールの持ち主(オーナー)の権限を会社として持つ

最後の権限は見落とされやすい点です。Search Consoleヘルプでは、所有者がユーザーの追加・削除や設定の変更を行えると説明しています。ビジネスプロフィールのヘルプでは、オーナーだけがユーザーの追加と削除、プロフィールの削除を行えると説明しています。担当者の退職や制作会社の変更があっても困らないよう、オーナーの権限は会社の管理するアカウントに置いておきます。

Googleは、役に立つコンテンツの考え方の中で、コンテンツを作る主な目的が人の役に立つことかどうかを最も重要な問いとしています。検索からの流入を増やすことだけを目的に記事を大量に作る方針は、この考え方に合いません。経営者が目的を決めるときの基準にしてください。

参考:Search Console ヘルプ:所有者、ユーザー、権限の管理

Web担当の役割:載せる・整える・測る

Web担当の役割は、各部署から集めた情報をサイトに載せ、技術面を整え、結果を計測することです。内容の正しさは書いた部署が、サイトで読める状態にするのはWeb担当が責任を持つ、と線を引きます。

受け持つこと具体的な作業
載せる集めたFAQや事例をページにし、見出しを整える
表記をそろえる会社名・住所・電話番号を、サイトとビジネスプロフィールでそろえる
技術面を整えるページがクロールでき、インデックスに登録されているか確かめる
構造化データページに見えている内容と一致する記述を入れる
計測Search Consoleの検索パフォーマンスと生成AIパフォーマンスレポートを見る
更新の記録いつ、どのページの、何を直したかを記録する

構造化データは、Googleのガイドラインで、ページの内容を正確に表すことが求められています。読者に見えない内容をマークアップしないこと、最新の情報にすることも書かれています。そのため、構造化データの中身は、営業や広報が書いたページの本文に合わせて作ります。本文が変わったら、構造化データも同時に直す決まりにしておくと、食い違いを防げます。

参考:Google:構造化データに関する一般的なガイドライン

営業・広報・技術の部署の役割:一次情報を出す

営業・広報・技術などの部署の役割は、その部署にしかない事実を、Web担当が載せられる形で渡すことです。Googleの役に立つコンテンツの自己評価の質問には、独自の情報や分析を提供しているか、自明の事柄を超えた内容があるか、という問いがあります。この独自の情報を持っているのは、多くの場合、お客様と接する部署です。

部署受け持つ情報渡し方の例
営業・問い合わせ窓口よく受ける質問、断る理由、比較されるときの論点月に5問、質問と答えを書いて渡す
広報・総務会社概要、沿革、代表者の経歴、受賞や登録変更があった日に、変わった項目を渡す
技術・現場作業の手順、期間、使う材料や道具、注意点工程ごとの説明と写真を渡す
カスタマーサポート導入後に出る質問、よくある誤解四半期ごとに、多い質問を3つ渡す

以下は架空の例です。ある設備工事の会社では、営業が「見積もりは無料か」「土日も工事できるか」と毎週聞かれていました。営業が質問と答えを書いてWeb担当に渡し、Web担当がFAQのページにまとめました。答えには「現地調査は無料、ただし片道30km以上は交通費を見積もりに含めます」のように、条件まで書きました。

書いた人の名前と役割を示すことも、部署の仕事に含めます。Googleは、誰がコンテンツを作ったかを明確にし、必要に応じて著者の情報を載せることを勧めています。架空の名前や偽の資格で専門家に見せることは、欺く行為にあたるとしています。

参考:Google:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成

分担を回す月1回の確認の場

役割分担は、月に1回、経営者・Web担当・各部署の代表が30分ほど集まり、更新の記録と数字を見る場を決めると続きます。担当を決めただけでは、日々の業務に押されて更新が止まりやすいためです。

確認の場で見るものは、次の3つに絞ります。

  1. 先月に直したページと、直した理由(更新の記録)
  2. Search Consoleの表示回数・クリック数と、生成AIのレポートの表示回数
  3. 料金・営業時間・担当者など、事実が変わった項目がないか

3つ目は特に大切です。サイトやビジネスプロフィールに古い情報が残っていると、お客様にも検索にも誤った情報が伝わります。料金改定や移転、営業時間の変更が決まった時点で、決める人から書く人とWeb担当へ伝わる流れを、この場で確かめます。

数字は、AIの回答に引用された回数を示すものではありません。生成AIのレポートの表示回数は、AI機能の中でサイトへのリンクが表示された回数です。数字の上下だけで担当者を評価せず、正しい情報が載っているかを先に確かめます。

よくある質問

参考資料

公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月30日。

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この記事を書いた人

株式会社curve 代表取締役 野澤 孝理

株式会社curve 代表取締役

野澤 孝理

GMOインターネット株式会社を経て、株式会社エクスコアに創業メンバーとして参画し、株式会社curveを創業。デジタルマーケティングを軸に、Claude CodeやCodexを活用したサイト・LP制作、解析ツールの導入、業務システムの構築まで、「AIマーケ×AI開発・内製化」を支援しています。AIメディア「AIテックベース」を運営。

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