AIO対策で企業情報を整える目的

AIO対策で企業情報を整える目的は、AIの回答や検索結果で自社が紹介されたときに、誤解が生じにくい事実を公式サイトに用意することです。会社の情報は会社概要だけでなく、サービスページ、記事の著者紹介、採用情報、外部の紹介ページにも分かれて載っています。会社名の表記や事業の範囲が少しずつ違うと、読者もAIも、どれが今の条件なのかを判断しにくくなります。

AIは、自社サイトだけでなく、ほかのサイトでの紹介も参考に答えることがあります。外部でさまざまに語られるからこそ、自社の公式サイトに、確かめられる正式な情報を置いておくことが、誤った紹介を減らす土台になります。ただし、Googleは言及を作為的に集めることを「やらなくてよいこと」に挙げています。自作自演の紹介記事や比較記事は作りません。Wikipediaに自社で記事を作ることも、Wikipediaの利益相反のガイドラインで控えるよう求められています。

最初に整理するのは、正式な会社名、ブランド名、サービス名、提供内容、対応地域、問い合わせ先です。会社の住所とサービスの対応地域は、別の項目として扱います。「全国対応」と書くなら、オンラインだけなのか、訪問も含むのかを説明します。

ページごとの役割と共通の事実
ページの役割は分け、正式な事実だけを共通にする

この記事では、会社案内・サービス・実績のページの「文章の書き方」に絞って解説します。組織の構造化データや、ビジネスプロフィールなど外部の掲載先との表記の一致は、エンティティSEOとはで詳しく扱っています。

会社案内ページの書き方:一文の説明と事業の範囲

会社案内ページは、「どの地域で、誰に、何をする会社か」を一文で示し、その下に事業の柱と範囲を書きます。会社名と所在地だけが並ぶ会社概要では、AIも読者も、何の会社なのかを判断する材料が足りません。

書くこと書き方のポイント
一文の説明地域・対象・提供内容を一文に入れる
事業の柱主なサービスを3つ程度に分け、それぞれ一言で説明する
対象顧客業種・規模・相談の段階など、主に支援している相手
対応地域と方法オンライン、訪問、拠点ごとの対応範囲
体制担当者の役割、窓口、対応時間
沿革と変更社名の変更、サービスの開始・終了の時期

以下は架空の例です。「関東の製造業の工場を対象に、生産管理の仕組みづくりと、現場の担当者向けの研修を行う会社」のように書くと、地域・対象・提供内容が一度に伝わります。一文の説明は、サービスページやSNSのプロフィールでも同じ内容を使うと、どこから読まれても同じ会社だと伝わります。新しいサービスを始めたときは、トップページだけでなく、会社案内、サービス一覧、著者紹介も点検します。サービスを終えたときは、その案内を消すだけでなく、代わりの相談先を書きます。

サービスページの書き方:業務の範囲と条件で説明する

サービスページは、「AIを活用して支援します」のような大きな言葉ではなく、誰の、どの業務を、どこまで担当するかで説明します。研修なら、対象者、学ぶ仕事、演習、研修後の支援を書きます。業務の自動化なら、対象の作業、使うデータ、承認の工程、システム連携の範囲を書きます。大きな事業名の下に具体的な業務を置くと、比べるための情報が増えます。

以下は架空の例です。「業務効率化を支援します」とだけ書かれたサービスページを、「経理部門の請求書の入力作業を対象に、表計算ソフトとの連携で手作業を減らす仕組みを作ります。対象は従業員50名までの会社で、導入には約2か月かかります」と書き直すと、自社が対象かどうかを読者が判断できます。AIにとっても、どんな相談に対して紹介できる会社なのかが伝わりやすくなります。

対応範囲に例外がある場合も説明します。既存のシステムとの連携は、接続の方法や権限、契約によって進め方が変わることがあります。すべての連携が同じ条件でできるように書かず、相談のときに確かめることを示します。

料金を一律に載せられない場合は、見積もりが変わる要素を説明します。人数、対象の業務、開発の範囲、保守の期間などを示せば、読者は相談に必要な資料を準備できます。「お問い合わせください」だけで終わらせず、何を聞くのかまで伝えることが大切です。サービスページ全体の組み立て方は、サービスページのSEOで解説しています。

参考:Google:Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する

実績・事例ページの書き方:条件を添える

実績には、期間、対象、実施した範囲、確かめ方を添えます。問い合わせが増えたという事例なら、同じ時期に広告や営業のやり方を変えていないかも確かめます。複数の施策の結果を、一つの改善だけの成果として見せないようにします。数字を載せるときは、測った期間と方法を数字のすぐそばに書きます。掲載の許可を得た範囲も管理します。

事例を公開できない場合は、支援の流れや判断の基準を説明します。架空の事例を使う場合は「説明のための例」と明記し、数字を入れるなら計算の例であって実績ではないことを伝えます。読みやすい文章を作るために、確かめられない成果を足さないことが大切です。

お客様の声やクチコミを載せる場合は、虚偽のものや、謝礼などの報酬を渡したことを示していないものは使いません。Googleは2026年7月、クチコミの構造化データのガイドラインにこの点を加えました。広告であることを隠した紹介は、2023年10月から景品表示法のステルスマーケティング規制の対象です。医療機関は医療広告等ガイドライン、弁護士や税理士は所属する会の広告の規程で、体験談やビフォーアフターなどの扱いに制限があるため、載せる前に確かめます。

著者紹介は、記事の内容と関係する経歴を示します。Googleは、だれが書いたかを明らかにし、著者の経歴が分かるページにつなぐことを勧めています。架空の人物や持っていない資格で、専門家が書いたように見せることは、読み手をあざむくことになるため避けます。事例記事の書き方はAI検索時代の事例記事の作り方、著者情報はSEOの著者情報の書き方で詳しく解説しています。

参考:Google:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成

B2B企業で企業情報を書くときのポイント

B2B企業(企業向けに商品やサービスを提供する会社)の企業情報は、発注を検討する複数の担当者が、それぞれの立場で比べられる情報を書くことが大切です。企業の発注では、現場の担当者、情報システムの担当者、決裁者などが同じページを別の目的で読みます。以下は、立場ごとに確かめられやすい点を整理した実務上の提案です。

読む人知りたいこと書いておく情報
現場の担当者自社の業務に合うか対象の業務、使い方、導入までの流れ
情報システムの担当者既存の仕組みと合うか連携の方法、セキュリティの考え方、データの扱い
決裁者費用と体制に見合うか費用の決まり方、契約の形、支援の体制
購買・法務の担当者取引の条件契約期間、解約、秘密保持の扱い

「〇〇業界に特化」と書く場合は、特化している理由と範囲を具体的に書きます。対応してきた業務の種類、その業界でよく使われる仕組みへの対応、業界ならではの手続きへの理解など、根拠を添えます。根拠のない「特化」は、比べる人にとって判断の材料になりません。

資料請求で渡す詳しい資料と、ウェブに載せる情報の役割も分けます。ウェブには、比べる段階で必要な対象・範囲・条件を、画像やPDFだけにせず本文のテキストで載せ、資料には社内での説明に使う詳細を載せます。Googleも、大事な内容はテキストで書くよう勧めています。ウェブに何も書かず、すべてを資料請求の後にすると、比べる段階で候補に入りにくくなるおそれがあります。

他社やほかの方法との比較表を載せる場合は、同じ項目をそろえ、確かめていない部分を空欄のまま有利に見せないようにします。比べる人は、表の項目そのものを社内の検討に使うことがあるため、項目の定義も短く添えておくと親切です。

社内の役割分担:誰が何を確かめ、更新するか

企業情報を正しく保つには、「事実を決める人」「文章を直す人」「外に伝える人」を分け、変更が起きたときの流れを決めておきます。ページを直す担当者だけに任せると、サービスの条件が変わったことを知らないまま、古い説明が残ります。以下は役割の分け方の一例です。

役割主な担当の例確かめること更新のきっかけ
事実を決める経営者、サービスの責任者提供範囲、料金の決まり方、対応地域サービスの開始・変更・終了
実績を確かめる営業、プロジェクトの責任者公開してよい範囲、数字の根拠案件の完了、掲載の許可
文章を直すWeb担当、広報ページ間の食い違い、表記事実の変更の連絡
外に伝える広報、営業外部の紹介文、営業資料、SNSページの更新後
法的な点検法務、外部の専門家広告の表現、契約の条件表現や条件の大きな変更
権限を管理する経営者、Web担当サイト・Search Console・ビジネスプロフィールに、誰がどの権限で入れるか担当者の交代、契約の終了、四半期ごとの見直し

更新のきっかけを逃さないためには、料金表や契約書の改定、サービスの開始や終了といった社内の手続きに、「Web担当へ知らせる」という一行を組み込んでおくと、見落としを減らせます。制作会社など外部に作業を頼むときも、パスワードは渡さず、各サービスでユーザーとして招待し、交代や契約の終了のときに権限を外します。

企業情報の更新の流れ
事実を決める人から、ページの更新、外部への反映までの順番

役割を決めたら、正式な情報をまとめた一覧を一つだけ作ります。一覧には、情報の種類、正式な内容、決める人、載っているページ、最終確認日を書きます。ページを直す人は、この一覧だけを見て直せば、部署ごとに違う前提で書き換えることを防げます。事実が変わったら、一覧、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、SNS、外部の紹介の順に直します。

AIの回答で自社についての誤りを見つけたら、どの担当に戻すかも決めておきます。事実の誤りならサービスの責任者に、表記の揺れならWeb担当に、外部の紹介文の誤りなら広報に、というように振り分けると、対応が止まりません。誤りに気づくには、お客様の相談に近い質問を決め、月に1回ほど同じ質問でAIに聞いて、日付と回答を記録します。AIの回答は聞くたびに変わることがあるため、1回の結果で判断しないことが大切です。

よくある質問

参考資料

公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月24日。

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この記事を書いた人

株式会社curve 代表取締役 野澤 孝理

株式会社curve 代表取締役

野澤 孝理

GMOインターネット株式会社を経て、株式会社エクスコアに創業メンバーとして参画し、株式会社curveを創業。デジタルマーケティングを軸に、Claude CodeやCodexを活用したサイト・LP制作、解析ツールの導入、業務システムの構築まで、「AIマーケ×AI開発・内製化」を支援しています。AIメディア「AIテックベース」を運営。

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