エンティティSEOとは

エンティティSEOとは、検索エンジンやAIが、自社を「一つの会社」として見分け、何をしている会社かを正しく理解できるように、自社サイトと外部の情報を整える取り組みです。エンティティとは、言葉ではなく、人・場所・組織・物事のような「対象そのもの」を指します。

たとえば「さくら」という言葉は、花の名前にも、人の名前にも、会社の名前にもなります。検索エンジンは、ページの内容や周りの情報から、どの対象の話なのかを判断しようとします。Googleのナレッジパネルのヘルプでは、ナレッジグラフ(対象とその関係をまとめたGoogleのデータベース)にある人・場所・組織・物事を検索したときに、情報の枠が表示されると説明されています。

エンティティSEOは業界で使われている呼び方で、Googleの公式な施策の名前ではありません。Googleが案内していることを組み合わせると、中小企業が行うことは次の3つに整理できます。

やること目的主な場所
正式な情報を示す自社の名前・所在地・事業を明確にする会社情報ページ、構造化データ
外部の表記をそろえる同じ会社だと分かるようにするビジネスプロフィール、SNS、掲載先
理解のされ方を確かめる誤りや混同を見つけて直す検索結果、AIの回答

参考:Google:ナレッジパネルについて

AI検索で「何の会社か」が問われる理由

AIの回答は、「〇〇なら△△社があります」のように会社の名前を挙げて紹介する形になりやすいため、何の会社かが正しく伝わっていないと、紹介の候補から外れたり、誤った説明をされたりするおそれがあります。Googleは、生成AI機能が、ブログや動画、フォーラムなどウェブ上で製品やサービスについて語られている内容を表示することがあると案内しています。

自社サイトと外部の情報がばらばらだと、次のようなことが起きえます。

  • 社名の表記が媒体ごとに違い、同じ会社だと結び付けられない
  • 移転前の住所や、終了したサービスが説明に使われる
  • 同じ名前の別の会社と、事業内容や所在地が混ざる

以下は架空の例です。東京都で内装工事を行う「A社」と、別の県で金属加工を行う同じ名前の「A社」があるとします。自社サイトに所在地や事業内容が十分に書かれていないと、AIの回答で二つの会社の情報が混ざって説明されることが考えられます。

混同を防ぐ第一歩は、「どの地域で、誰に、何をする会社か」を一文で決めることです。上の例なら「東京都内で、飲食店や美容室の内装工事を行う会社」のように書きます。この一文を、会社情報ページ、サービスページ、ビジネスプロフィール、SNSのプロフィールの説明で共通に使うと、どこから読まれても同じ会社だと伝わりやすくなります。

自社サイトで伝える:会社情報ページと組織の構造化データ

自社サイトでは、会社情報ページに正式名称・略称・所在地・連絡先・事業内容・公式アカウントをテキストで載せ、同じ内容を組織の構造化データでも示します。構造化データとは、ページの内容を検索エンジンが読み取りやすい決まった形式で書いたものです。

Googleは、組織の構造化データを使うと、組織の管理情報を理解し、検索結果で組織を見分けやすくなると案内しています。必須の項目はなく、当てはまる項目をできるだけ多く入れることが勧められています。

会社情報ページに書くこと構造化データの項目
正式な会社名name
略称や英字の表記alternateName
公式サイトのURLurl
ロゴlogo
所在地address
電話番号telephone
公式SNSやレビューサイトのページsameAs
事業の説明description

表の項目のほかに、会社情報ページには、代表者名、設立年、対応している地域、許認可や登録の番号がある業種ではその番号も載せておくと、ほかの会社と見分ける手がかりが増えます。どれも、名刺や登記などの公式な記録と同じ表記にそろえます。

店舗や事務所で営業している場合は、ローカルビジネスの構造化データを使います。Googleは、事業に最も当てはまる種類を選び、必須の項目である名前と住所に加えて、営業時間や電話番号などを入れることを勧めています。

ただし、構造化データを入れても、検索結果での表示は保証されません。Googleは、生成AI検索のために特別なマークアップは必要ないとしつつ、構造化データはリッチリザルトの対象になるため使うことを勧めています。大切なのは、ページに表示している内容と一致させることです。

参考:Google:組織(Organization)の構造化データ

外部の情報をそろえる:ビジネスプロフィール・SNS・掲載先

外部の情報は、ビジネスプロフィール、SNS、求人サイト、業界団体、取引先の紹介ページなどで、社名・住所・電話番号・事業内容の表記をそろえます。MEOでは、名前(Name)・住所(Address)・電話番号(Phone)の頭文字からNAPと呼び、この統一を基本としています。

Googleビジネスプロフィールのガイドラインでは、ビジネス名は、店頭やウェブサイト、名刺などで実際に一貫して使っている名称にすること、キャッチコピーなどの不要な情報を名前に含めないことが求められています。

掲載先そろえる項目直せる人
Googleビジネスプロフィール名前、住所、電話番号、営業時間、カテゴリ自社の管理者
SNSのプロフィール名前、公式サイトのURL、事業の説明自社の担当者
求人サイト社名、所在地、事業内容自社または掲載会社
業界団体や商工会の名簿社名、所在地、連絡先団体の事務局
取引先の紹介ページ社名、サービス名取引先
公式サイトを中心に外部の情報をそろえる
会社情報ページを正式な情報の元にして、外部の掲載先をそろえる

そろえるときに見落としやすいのは、細かな表記のゆれです。

  • 「株式会社」が社名の前か後ろか、「(株)」と略しているか
  • 英字や数字が全角か半角か
  • 住所の「1丁目2番3号」と「1-2-3」、建物名や階数の有無
  • 電話番号が代表番号か、店舗ごとの番号か

社内で正式な表記を一つ決めて一覧にしておくと、新しい掲載先に登録するときにも迷いません。自社で直せない掲載先は、正しい情報と、それを確かめられる公式サイトのURLを添えて訂正を依頼します。

サイテーションとの関係:増やすより、正しくそろえる

サイテーション(ウェブ上で社名や住所が言及されること)は、数を増やすことより、正しい内容でそろっていることが大切です。Googleは、生成AI検索について、言及をウェブ上で作為的に探し集めることは実際にはあまり役立たないと案内しています。

サイテーションは、もともとMEOで使われてきた言葉です。AI検索の話でも、外部での言及が話題になりますが、Googleはランキングが質の高いコンテンツとスパム対策の両方に支えられていると説明しています。そのため、自然に紹介される理由を作ることが基本になります。

  • 業界団体や地域の団体に加盟し、名簿の情報を正しく保つ
  • 取材や寄稿の機会に、正式な社名とサービス名を伝える
  • 取引先が紹介してくれる場合は、正しい表記を共有する
  • 自社サイトで、独自の調査や実際の作業手順など、紹介されるだけの情報を公開する

すでにある言及を確かめるには、社名と、社名に地域名やサービス名を加えた言葉で検索し、表示される外部のページを一覧にします。古い住所や終了したサービスが載っているページから順に訂正を依頼すると、新しい言及を増やすより早く、誤った説明の元を減らせます。

参考:Google:Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する

AIと検索でどう理解されているかを確かめる方法

自社がどう理解されているかは、社名だけ、サービス名と地域、お客様の相談文の3通りで検索やAIに質問し、事業内容・所在地・連絡先が正しいか、別の会社と混ざっていないかを記録して確かめます。

質問の形例見る点
社名だけ「A社」事業内容と所在地が正しいか、別の会社と混ざっていないか
サービス名と地域「目黒区 内装工事」自社が候補に出るか、説明が正しいか
お客様の相談文「店舗の内装を短期間で直したい」自社の強みが伝わっているか

上の例は架空です。誤りが見つかったら、まず自社サイトの会社情報ページの記載を直し、次にビジネスプロフィール、最後に外部の掲載先の順で直すと、どこが正しい情報なのかがぶれません。ナレッジパネルが表示されている場合は、パネルのフィードバックから修正を提案できるとGoogleは案内しています。

記録は、日付、使った検索やAI、質問、結果、直した内容を一覧にしておきます。直した後に同じ質問で確かめると、変化を比べられます。Search Consoleの検索パフォーマンスで、社名を含むクエリの表示回数とクリック数を見ておくと、社名で探す人が増えているかも確かめられます。

よくある質問

参考資料

公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月23日。

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この記事を書いた人

株式会社curve 代表取締役 野澤 孝理

株式会社curve 代表取締役

野澤 孝理

GMOインターネット株式会社を経て、株式会社エクスコアに創業メンバーとして参画し、株式会社curveを創業。デジタルマーケティングを軸に、Claude CodeやCodexを活用したサイト・LP制作、解析ツールの導入、業務システムの構築まで、「AIマーケ×AI開発・内製化」を支援しています。AIメディア「AIテックベース」を運営。

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