今回の公式発表と提供状況

Googleは2026年8月20日、複数の検索キャンペーンで予算とROI目標を比較するA/Bテストを発表し、この機能は9月から展開すると案内しました。同じ発表では、ブランド・地域のコントロールを有効にしたAI Max実験と、Performance Plannerによる予測・変更の適用も紹介されています。9月という提供時期を、発表内のすべての機能へ一律に当てはめないようにします。

本記事は2026年10月4日時点の公式発表を起点に、運用で検討する事項を整理しています。以下の進め方はcurveの実務上の提案であり、Googleが指定する必須手順ではありません。機能の表示、対象キャンペーン、国や言語などの利用条件はアカウントごとに確認してください。

AI Maxのテストの整理
AI Maxのテストの整理。本文の確認事項を整理した図。

参考:Google広告公式発表(2026年8月20日)

テスト前に計測を揃える

フォーム送信、電話、資料請求を同じ価値として数えてよいかを確認します。営業の結果まで追える場合は、問い合わせ件数と有効な相談の件数を分けて評価します。重複した計測が残っていると、配信の差より計測の差が大きく見える可能性があります。

比較の条件を決める

複数キャンペーンを使う場合でも、対象地域、販売するサービス、予算、評価指標を整理します。テスト中にランディングページや商品の価格を変更すると、その影響が混ざります。変更が必要なら日時と理由を記録して結果の解釈へ反映します。

検索の広がりと品質を見る

新しい検索へ届くことと、事業に適した相談が増えることを分けます。利用できるレポートの範囲で、どのような関心を持つ人が来ているかを確認します。問い合わせの内容を分類し、明らかに対象外の相談が増えた場合は条件や説明の改善を検討します。

予測を採用判断へ使う

予算や目標の変更による予測は、将来の成果を保証するものではありません。費用を増やせる上限と、受注対応できる件数を社内で決めます。予測と実績の差が出たときに、季節や計測変更などの要因を確認できるよう記録を残します。

着手前に作る確認シート

AI Maxのテストを始める際は、最初に「今回変えたい状態」を一文で書きます。「成果を上げる」だけでは、作業の終わりを決められません。同じ事業目的の検索キャンペーンについて、現在わかっていること、まだ判断できないこと、担当者に確かめることを分けます。目的が揃っていれば、途中で別の改善案が出たときも、今回の範囲へ含めるかを判断しやすくなります。

確認シートには、対象、目的、根拠、作業、確認者、再確認する日を設けます。根拠の欄には配信設定と問い合わせの結果の所在を書き、作業の欄には具体的に変更する部分を記載します。資料の名称だけでなく、どの期間、どのページ、どの条件を見たかも残します。別の担当者が同じ資料を開いた際に、今回の判断を追えることが目的です。

次に、予算、地域、計測、評価期間を点検します。説明の不足と計測の不足を一緒に扱うと、何を直せば確認できるのかが曖昧になります。内容に関する作業は編集担当、設定に関する作業は制作や運用担当に分けても、確認の表は共通にします。部署ごとに別の前提で話が進まないよう、変更した条件を一つの場所に残しましょう。

この段階でテスト中に複数の条件を変更することを避けます。すぐに変更できる部分が見つかっても、原因の仮説と対応するかを考えます。作業のしやすさだけで優先順位を決めると、目立つ箇所は直っても相談や運用の問題が残る場合があります。変更した条件と固定した条件を分けるという方針を、確認シートの冒頭へ記載しておくと、判断がぶれにくくなります。

AI Maxのテストの判断条件
AI Maxのテストの判断条件。本文の確認事項を整理した図。

具体例:社内で判断を揃える進め方

以下は、手順を理解するための架空の例です。法人向けサービスを提供する会社で、同じ事業目的の検索キャンペーンを見直すことになったとします。営業担当は相談の内容を、運用担当は閲覧や配信のデータを、制作担当は現在の表示や設定を持ち寄ります。実際の企業や成果を示す事例ではなく、役割を分けて確認するための例として読んでください。

最初の会議では、各担当の資料をそのまま比較せず、対象期間と対象の範囲を揃えます。営業が見ているのは契約した案件だけ、運用が見ているのは全体のアクセスだけ、という状態では同じ話ができません。配信設定と問い合わせの結果から今回の対象に関係する部分を選び、わからない情報は未確認として残します。数字を合わせるために推定値を足す必要はありません。

そのうえで、遅れて発生する成果が含まれているかを議題にします。営業の感覚も、画面上の数字も、どちらか一方で結論を決めません。たとえば対象外の相談が増えたという意見があれば、相談の分類方法と該当する説明を確認します。計測できない部分があれば、まず記録の仕方を決めます。改善案は、確認できた問題と対応する形で書き出します。

作業を始める前に、増額前に受注対応できる範囲を決めることを担当者同士で確認します。担当と期日が曖昧だと、本文を直しても関連する案内が古いまま残るなど、変更が途中で止まります。公開や配信へ進む担当、内容を確認する担当、結果を見る担当を決め、引き継ぎに必要な資料を添えます。個人の記憶だけに頼らないための整理です。

終了の判断は、作業が済んだかと、目的に近づいたかを分けます。文章や設定を更新できたことは作業の完了です。相談の質や運用の負担が変わったかは、一定の期間を置いて確認します。結果が出る前に成功と扱うことも、短期の変化だけで失敗と扱うことも避け、次に確認する条件を残します。

公開・運用後の確認と次の改善

変更後は、有効な相談と費用を合わせて比較することから始めます。確認する日を決めずに毎日数字を眺めても、比較の条件は揃いません。対象期間、曜日や季節、ほかの施策の変更があるかを記録します。特に複数の担当が同時に改善を行う場合は、どこがいつ変わったかがわからないと、結果の説明が難しくなります。

改善の前後には、対象全体の合計と、個別の内訳を両方見ます。全体が増えていても、重要な対象では変化していないことがあります。逆に合計が大きく変わらなくても、依頼に近い情報へ進む人が増える場合があります。同じ事業目的の検索キャンペーンを中心に見るという最初の方針へ戻り、目的に関係する変化を整理します。

想定と違う結果になったときは、すぐに元へ戻す前に、仮説と観察を分けます。「説明が不足している」は仮説であり、「同じ質問が相談で繰り返された」は観察です。観察したことを具体的に残せば、別の担当者にも検討できます。予算、地域、計測、評価期間について、最初に揃えた条件が途中で変わっていないかを確認することも必要です。

次の改善は、情報が足りない部分を埋める作業と、効果を確かめる作業を分けます。前者は資料や説明を揃えることで完了を確認できます。後者は、期間や対象を決めて比較します。すべてを同じ期限で評価する必要はありません。変更した条件と固定した条件を分けるという基本へ戻り、今回の結果から何がわかったか、何が残ったかを短い文章にまとめましょう。

担当者へ引き継ぐときのチェックリスト

引き継ぎ資料には、完成したページや設定へのリンクだけでなく、変更の理由を添えます。AI Maxのテストでは、表面の作業を再現できても、なぜその条件を選んだかが残っていないと、次の担当者が別の前提で変更する場合があります。対象外にしたことも簡単に書いておけば、次回の相談で範囲を決めやすくなります。

確認する項目は、目的が具体的か、同じ事業目的の検索キャンペーンの範囲が明記されているか、配信設定と問い合わせの結果へアクセスできるか、未確認事項が残っているか、という順番です。すべての資料を長い報告書へ貼り付けるより、判断に使った資料をたどれるようにします。日付や担当者の情報は、社内で必要な範囲で管理しましょう。

さらに、遅れて発生する成果が含まれているかを点検する担当を決めます。公開後に条件が変わった場合の更新先や、問題が見つかった場合の連絡先も資料へ加えます。頻繁に変わる情報は再確認日を設け、変わりにくい説明は必要なときに見直します。すべてを同じ頻度で更新するより、変更の起こりやすさに応じて管理するほうが続けやすくなります。

最後に、読者や利用者へ伝える内容を読み直します。専門知識のある担当者同士では省略できる前提も、初めて読む人には必要です。増額前に受注対応できる範囲を決めるという作業を、実際にどこまで終えたか説明できる状態にしておきます。依頼前の不安を減らす情報と、社内で確認する設定を混ぜず、それぞれ必要な場所で案内してください。

実務で使う点検表とレビュー

対象キャンペーン、費用、コンバージョン、有効な相談、変更した条件を同じ表に置きます。通常の集計と異なる期間で比較する場合は、その理由を記載します。営業の結果がまだ揃っていない日は、未確定として扱い、広告の数字だけで増額を決めないようにします。

費用が上限へ近づいた場合、対象外の相談が続く場合、計測の不具合が出た場合の対応を決めます。自動化される範囲が増えても、事業に適する条件を決める責任は残ります。管理画面の変化と顧客の反応の両方を見られる体制を作りましょう。

確認の担当者は、資料を作った人とは違う視点で読みます。作業の理由を知らない状態でも、対象と条件が理解できるかを確かめてください。疑問が出た箇所は、説明の不足か、情報の未確認かに分けて戻します。前者は文章や配置を直し、後者は元の資料や担当者へ確認します。推測で説明を補うと、後から修正が必要になります。

点検表は、項目が多いほどよいわけではありません。今回の目的に関係する条件を先に置き、どこを確認すれば判断できるかを明記します。毎回同じ確認が必要な項目は定型にし、案件ごとに変わる条件は別の欄へ記載します。確認に使った資料が更新されている場合は、以前の判断へ影響するかも見直しましょう。

確認が終わったら、対応済み、追加確認が必要、今回は対象外という状態を残します。対象外の項目も理由があれば、次の担当者が引き継げます。完了の印だけでは、残った課題が見えません。次に確認する日と担当を記録し、必要な情報が揃ったときに再開できるようにします。

運用に余裕がない場合は、最も重要な対象から点検します。すべての項目を一度に直すために長期間止めるより、事実の誤りや判断を妨げる説明を優先します。ただし同時にいくつも変更すると比較が難しくなるため、変更のまとまりを決めます。作業を分ける目的は、手間を減らすことだけでなく、何を直したか説明できる状態を残すことです。

この点検表を外部の支援会社へ共有する場合は、公開できる情報と社内だけで扱う資料を分けます。契約や顧客情報を必要以上に添付するのではなく、調査に必要な範囲を決めて渡します。事業の目標、現在の状態、今回見直したい範囲が揃えば、担当者同士で次の作業を具体的に相談しやすくなります。

AI Maxのテストの確認サイクル
AI Maxのテストの確認サイクル。本文の確認事項を整理した図。

よくある質問

テスト前に予算を増やすべきですか?
機能を使うために無条件で増額するのではなく、検証できる範囲と費用の上限を決めます。成果の件数が少なく判断しにくい場合も、何が不足しているかを確認します。予算だけを変えて結果が改善しても、それを機能単独の効果と断定しないようにします。

問い合わせ件数だけで比較してよいですか?
対象外の相談や重複が含まれていないかを点検します。営業の結果を共有できるなら、有効な相談や商談へ進んだ件数も確認します。ただし計測できない結果を推測で広告へ帰属させず、取得できる情報と営業の記録を区別して評価します。

予測の数字どおりになりますか?
Performance Plannerなどの予測は計画の材料です。価格や競合、需要、計測の条件が変われば、実際の結果も変わります。予測を根拠に増額する場合は、許容費用と見直す時期を決め、実績と照合して次の判断へ使います。

参考資料

公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月5日。

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この記事を書いた人

株式会社curve 代表取締役 野澤 孝理

株式会社curve 代表取締役

野澤 孝理

GMOインターネット株式会社を経て、株式会社エクスコアに創業メンバーとして参画し、株式会社curveを創業。デジタルマーケティングを軸に、Claude CodeやCodexを活用したサイト・LP制作、解析ツールの導入、業務システムの構築まで、「AIマーケ×AI開発・内製化」を支援しています。AIメディア「AIテックベース」を運営。

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