P-MAXとは

P-MAX(パフォーマンス最大化キャンペーン)とは、1つのキャンペーンで、Google広告のすべての配信先に広告を出せる、目標ベースのキャンペーンです。Google広告ヘルプでは、YouTube、ディスプレイ、検索、Discover、Gmail、マップなどが配信先として挙げられ、キーワードで配信する検索キャンペーンを補う役割があると説明されています。

目標ベースとは、「どこに出すか」ではなく「何を増やしたいか」を広告主が決める方式です。P-MAXでは、増やしたいコンバージョン(問い合わせ、予約、購入など)を決め、必要なら1件あたりの費用や広告費に対する売上の目標を設定します。そのうえで、スマート自動入札がコンバージョンの見込みにもとづいて入札します。

Google広告ヘルプでは、キャンペーンの目標として次の4つが案内されています。

  • 販売促進
  • 見込み顧客の獲得
  • ウェブサイトのトラフィック
  • 来店数と店舗売上の向上

P-MAXの配信先(チャネル)は、Google広告ヘルプ「P-MAX チャネルについて」で次の6つに整理されています。

チャネル主な表示場所
検索Google検索、検索パートナー
マップGoogleマップとWaze(Wazeの広告が日本で出るかは、公式に確認できていません)
YouTubeYouTubeに出る広告すべて
DiscoverDiscoverのフィード
GmailGmailの画面
ディスプレイ ネットワーク提携するウェブサイトとアプリ

参考:Google 広告ヘルプ:P-MAX キャンペーンについて

P-MAXの仕組み

P-MAXの仕組みは、広告主が「目標・予算・素材・手がかり」を渡し、Google AIが「入札・配信先・広告の組み合わせ」を決める、という分担です。広告主が決めるものと、Googleが決めるものは次のとおりです。

広告主が用意するもの内容
コンバージョンの目標と予算何を成果とするか、1日にいくら使うか、必要なら費用の目標
アセット広告見出し、説明文、画像、動画、ロゴなどの素材
アセットグループテーマや対象のお客様ごとに、アセットをまとめた単位
オーディエンスシグナル見込みの高い人の手がかり(サイトを訪れた人のリスト、顧客リストなど)
検索テーマ価値の高い検索の目的を、AIに伝える言葉
P-MAXで広告主とGoogle AIが分担するもの
広告主は目標・予算、アセット、手がかりを渡し、Google AIが入札・配信先・広告の組み合わせを決めて、各チャネルに配信する。

オーディエンスシグナルは、Google広告ヘルプでは、配信する相手を決める設定ではなく、学習を導くための手がかりとして説明されています。シグナルを出発点に、AIがコンバージョンしそうな人を探していく、と考えると分かりやすくなります。

つまり、P-MAXの成果は、渡す材料の質に左右されます。コンバージョンの計測が間違っていれば、AIは間違った成果を増やそうとします。アセットが少なければ、使える広告の組み合わせも限られます。

検索キャンペーンとの関係

P-MAXと検索キャンペーンを同時に使う場合、検索語句が検索キャンペーンの完全一致キーワードと一致すれば、検索キャンペーンが優先されます。Google広告ヘルプでは、P-MAXの検索テーマは、フレーズ一致やインテント マッチのキーワードと同じ優先順位として扱われると案内されています。

このため、「必ずこの広告文で出したい言葉」がある場合は、検索キャンペーンに完全一致で登録しておくと、P-MAXと役割を分けやすくなります。たとえば、自社名やサービス名の検索は検索キャンペーンで受け、P-MAXは新しいお客様を探す役割にする、という分け方です。

また、P-MAXでは検索語句レポートも見られます。Google広告ヘルプでは、「検索語句」レポートで「P-MAX の検索語句とランディング ページ」を選ぶと、広告の表示につながった検索語句と、使われたページを確かめられると案内されています。関係のない検索が多ければ、除外キーワードを検討します。

参考:Google 広告ヘルプ:P-MAX の検索語句レポートについて

向いている業種と、向いていない状況

P-MAXが向いているのは、問い合わせ、予約、購入など、成果をきちんと測れて、広い配信先から新しいお客様を探したい事業です。Google広告ヘルプでも、具体的なコンバージョンの目標がある場合や、1つのキャンペーンでGoogleのすべての配信先に届けたい場合が挙げられています。

以下は、業種と状況ごとの目安です。公式の基準ではなく、Google広告ヘルプの説明をもとにしたcurveの実務上の提案です。

業種・状況P-MAXの考え方
通販(Merchant Centerに商品データがある)向いている。商品データを使う広告も配信される
来店型の店舗(飲食、美容、小売など)「来店数と店舗売上の向上」の目標が使える。ビジネスプロフィールと住所アセットを整えてから。1店舗だけなら、まず検索キャンペーンと住所アセットから
問い合わせ型のサービス(工務店、士業、BtoBなど)向いているが、問い合わせの質の計測が大切。商談につながった問い合わせを区別できるとよい
コンバージョンの計測ができていない先に計測を整える。計測なしで始めるのは避ける
予算が少なく、問い合わせが月に数件まず検索キャンペーンで成果の出る言葉を確かめてから検討する
表示する場所を細かく決めたい検索キャンペーンや、配信先を選べるキャンペーンの方が合う

問い合わせ型の事業について、Google広告ヘルプの「P-MAXに関するよくある質問」では、リードの拡張コンバージョン(ウェブの問い合わせと、その後の商談などを結び付ける機能)を使う方法や、「有望な見込み顧客」などのコンバージョンを定義する方法が紹介されています。問い合わせの件数だけを目標にすると、商談につながらない問い合わせまで増やしてしまうおそれがあるためと考えられます。

ただし、医療や、離婚・債務整理などを扱う場合は、拡張コンバージョンや顧客リストを使えないことがあります。Googleの顧客データのポリシーでは、健康や医療、離婚・別居、厳しい経済状況(高額の借金など)に関わるコンバージョンの情報は顧客データに使えません。また、パーソナライズド広告のポリシーでは、「健康」などに当たる広告は、リマーケティングやカスタマー マッチ(顧客リストを使う配信)で配信できないとされています。使う前に確かめます。

始める前の確認点

P-MAXを始める前に確かめたいことは、コンバージョンの計測、アセットの量と質、配信の方針、評価の期間の4つです。Google広告ヘルプ「P-MAX キャンペーンを作成する」と「すべての業種向けの P-MAX キャンペーンの最適化のヒント」をもとに整理すると、次のとおりです。

  1. コンバージョンの計測:コンバージョン トラッキングを設定し、増やしたい成果をキャンペーンの目標に入れる。反映まで24〜48時間ほどかかると案内されています
  2. アセットの量:最適化のヒントでは、少なくともテキストアセット20個(広告見出し15個、説明文5個)、画像7個(横向き3、正方形3、縦向き1)、動画1個が目安とされています。独自の動画のアップロードが勧められています
  3. 店舗の情報:住所アセットを使う場合は、Googleビジネスプロフィールが正しくリンクされ、住所が承認されている必要があります
  4. 予算と目標:Google広告ヘルプでは、十分な1日の予算を設定し、目標アクション単価や目標広告費用対効果の設定を厳しくしすぎないよう案内されています
  5. 配信の方針:最終ページURLの拡張(検索語句に合わせて、より関連性の高いページに誘導する機能)を使うか、ブランドの除外を使うかを決める
  6. 評価の期間:最適化のヒントでは、新しいキャンペーンは最低6週間実施するよう案内されています。作成のヘルプでは、学習期間は通常1〜2週間、最長6週間とされています

最終ページURLの拡張を使うと、広告から開くページをGoogleが選ぶことがあります。Google広告ヘルプでは、ページの内容と正確さを確かめるのは広告主の責任とされています。古いキャンペーンページや、料金が変わったページが残っていないかを先に確かめます。

参考:Google 広告ヘルプ:すべての業種向けの P-MAX キャンペーンの最適化のヒント

始めたあとに見るレポートと調整

P-MAXを始めたあとは、チャネル、検索語句、アセットの3つのレポートで、どこで何が成果につながっているかを確かめます。Google広告ヘルプでは、チャネルのパフォーマンス、検索語句、アセット単位の指標などのレポートが案内されています。

レポート確かめること主な調整
チャネルのパフォーマンスどの配信先で費用と成果が出ているかチャネルの優先順位付けで、検索パートナーやディスプレイの支出を調整する
検索語句どんな検索で表示されたか、どのページが使われたか関係のない検索を除外キーワードにする
アセットどの文章・画像・動画が使われ、成果につながっているか弱いアセットを差し替える。アセットの実験で比べる

P-MAXのチャネルの優先順位付けは、2026年10月14日に発表され、数か月かけて順に提供されます。Googleチャネル、検索パートナー、ディスプレイ ネットワークに優先度を付け、低優先度の配信先に日予算の割合で上限を決められます。自社のアカウントの管理画面に出ているかを確かめてから使います。

設定を変えるときは、一度に多くを変えないことが大切です。Google広告ヘルプの最適化のヒントでは、大きな変更をしたあとは1〜2週間ほど(少なくとも1回のコンバージョン サイクル)の再学習期間を設け、その間は予算や入札戦略を頻繁に変えないよう案内されています。

よくある質問

参考資料

公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月24日(入札戦略の名前は2026年10月25日に再確認)。

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この記事を書いた人

株式会社curve 代表取締役 野澤 孝理

株式会社curve 代表取締役

野澤 孝理

GMOインターネット株式会社を経て、株式会社エクスコアに創業メンバーとして参画し、株式会社curveを創業。デジタルマーケティングを軸に、Claude CodeやCodexを活用したサイト・LP制作、解析ツールの導入、業務システムの構築まで、「AIマーケ×AI開発・内製化」を支援しています。AIメディア「AIテックベース」を運営。

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