まずは確認できる範囲を決める

担当者が更新できる文章と、制作会社や管理者の作業が必要な設定を分けます。CMSで本文を直せても、サーバー設定やURLの変更まで同じ感覚で進めると、思わぬ不具合につながります。

優先するのは、問い合わせにつながる主力サービスのページです。Search Consoleにアクセスできるか、ページが検索に登録されているかを確認し、現在の表示回数やクリック数を控えます。未登録の理由はさまざまなので、記事の品質が原因と即断しないことも大切です。

社内で続けるSEOの整理
社内で続けるSEOの整理。本文の確認事項を整理した図。

参考:Google:検索パフォーマンスレポート

最初に確認する7項目

以下は担当者が作業を整理するためのチェックリストです。すべてを一度に実施する必要はありません。問題を発見したら、修正担当、確認方法、予定日を付けて管理すると進めやすくなります。

  • 1. 計測:Search Consoleを確認できる担当者と権限を把握する。
  • 2. 掲載状況:重要なURLのインデックス登録状況を確認する。
  • 3. タイトル:ページの内容と対象読者が伝わるか読む。
  • 4. 本文:提供内容・対象・費用条件・次の手順が説明されているか確かめる。
  • 5. リンク:関連記事や問い合わせ先のリンク切れを確認する。
  • 6. 表示:スマートフォンで文字、画像、フォームを実際に操作する。
  • 7. 記録:変更日、変更内容、確認した数値を残す。

参考:Google:SEOスターターガイド

小さな修正を1つ選んで検証する

たとえば「料金についてはお問い合わせください」しかないページなら、見積もりに必要な条件、含まれる作業、追加費用が発生するケースを説明できます。金額を公開できなくても、相談前の不安を減らす情報は用意できます。

変更後は表示崩れとリンクを確認し、一定期間を置いて数値を比べます。問い合わせ数が少ないサイトでは、1件の増減が大きな割合になるため、件数だけでなく相談内容も併せて見ます。

自分で行う作業と、専門家に任せる作業

管理画面から文章や画像を変更できるサイトなら、サービスの対応範囲、見出し、関連記事へのリンクは担当者が見直しやすい領域です。一方、サーバー設定、URL変更、転送設定、検索への公開設定は影響が広がる場合があります。できることを増やすより、変更前に戻せる範囲を把握してから着手すると、少人数でも継続しやすくなります。

作業前にページのURL、変更理由、現在の文章、変更する文章、確認担当者を記録します。画面の写真だけでなく、文章をコピーして残しておくと復元しやすくなります。管理画面で更新履歴が残る場合も、保存期間や復元できる項目を調べておきます。担当者の記憶だけに頼ると、後から数字が動いたときに原因を追えません。

判断に迷う作業は、問題の画面、該当URL、発生した日、直前の変更を整理して相談します。「検索に出ない」という相談でも、検索への掲載設定なのか、表示はあるが順位が低いのか、会社名の表記が違うのかで対応が変わります。現状を説明できる資料を用意することも、社内で行える大切な改善作業です。

7項目の確認を、担当者が使える作業表にする

七つの確認項目を一度に終わらせようとすると、軽微な文章の修正と技術的な問題が混ざります。作業表に「確認できた」「修正できる」「相談が必要」の欄を作り、対象ページごとに記入します。まず会社案内、主力サービス、問い合わせページを選ぶと、事業への影響を理解しながら作業できます。

計測では、フォームの完了が正しく記録されるか、重複して数えていないかを確かめます。検索への掲載状況では、Search ConsoleのURL検査とページの公開状態を照らし合わせます。文章では、対象顧客、対応内容、料金の条件、依頼手順に不足がないかを見ます。各項目の確認方法を一行で書いておくと、別の担当者も同じ手順で点検できます。

記事を更新した日は、公開画面をスマートフォンでも開き、リンク先とフォームを確認します。文章が正しくても、長い表が画面からはみ出したり、ボタンに重なったりすると読みづらくなります。SEOの作業と表示確認を別々にせず、更新の完了条件に含めましょう。検索順位の変化を待つ前に、その場で確認できる問題を解消します。

月に数時間しか使えない場合の進め方

限られた時間で続けるなら、毎回新しい記事を書く計画より、既存ページを順番に点検する計画が現実的です。一回目は計測と公開設定、二回目はサービスの説明、三回目は質問の追加、四回目は数字の振り返りというように作業を分けます。時間の配分は例であり、サイトの規模や不具合の有無によって変わります。

営業中に受けた質問を、週に一度まとめて記録します。「納品後の修正は含まれるか」「どの資料を用意するか」といった質問は、サービスページの説明に反映できます。毎月の記事テーマをゼロから考えるより、実際の相談に答える改善を積み重ねた方が、担当者の負担を抑えながらページを育てられます。

数字の確認日も決めますが、短い期間だけで成否を決めないようにします。変更履歴と検索語句の傾向を見て、対象読者に届いたかを確認します。閲覧は増えたが問い合わせがない場合は、記事内容だけでなく、その先のサービス説明やフォームの入力負担も見直します。作業を増やす前に、どの段階で止まっているかを分けて考えます。

社内で続けるSEOの判断条件
社内で続けるSEOの判断条件。本文の確認事項を整理した図。

やりがちな変更と、その代わりに行うこと

同じキーワードを見出しや本文へ何度も追加しても、説明の不足は解消しません。読者の質問に答える文章を増やす方が自然です。また、古い記事の日付だけを変更しても、条件や根拠が更新されていなければ読者の判断材料は変わりません。何を確認し、どこを直したのかを文章に反映します。

URLを頻繁に変えることも避けたい作業です。記事名を修正するためにURLまで変更すると、既存のリンクやブックマークへの対応が必要になります。URL変更を行う場合は、転送先、内部リンク、サイトマップの修正をまとめて確認します。文章の修正だけで目的を達成できるなら、広い変更を行う理由を改めて考えます。

機能を追加したくなったときは、現在の問題と期待する改善を先に書きます。新しいSEOツールを導入しても、どのページをどう直すかを決める仕事は残ります。担当者が読める報告、更新できる管理画面、相談できる窓口の方が重要な場合もあります。道具の数を増やすより、一つの改善を完了できる運用を整えましょう。

着手前に作る確認シート

社内で続けるSEOを始める際は、最初に「今回変えたい状態」を一文で書きます。「成果を上げる」だけでは、作業の終わりを決められません。担当者が更新できる記事群について、現在わかっていること、まだ判断できないこと、担当者に確かめることを分けます。目的が揃っていれば、途中で別の改善案が出たときも、今回の範囲へ含めるかを判断しやすくなります。

確認シートには、対象、目的、根拠、作業、確認者、再確認する日を設けます。根拠の欄には既存ページと営業の質問の所在を書き、作業の欄には具体的に変更する部分を記載します。資料の名称だけでなく、どの期間、どのページ、どの条件を見たかも残します。別の担当者が同じ資料を開いた際に、今回の判断を追えることが目的です。

次に、企画、確認、公開の担当を点検します。説明の不足と計測の不足を一緒に扱うと、何を直せば確認できるのかが曖昧になります。内容に関する作業は編集担当、設定に関する作業は制作や運用担当に分けても、確認の表は共通にします。部署ごとに別の前提で話が進まないよう、変更した条件を一つの場所に残しましょう。

具体例:社内で判断を揃える進め方

以下は、手順を理解するための架空の例です。法人向けサービスを提供する会社で、担当者が更新できる記事群を見直すことになったとします。営業担当は相談の内容を、運用担当は閲覧や配信のデータを、制作担当は現在の表示や設定を持ち寄ります。実際の企業や成果を示す事例ではなく、役割を分けて確認するための例として読んでください。

最初の会議では、各担当の資料をそのまま比較せず、対象期間と対象の範囲を揃えます。営業が見ているのは契約した案件だけ、運用が見ているのは全体のアクセスだけ、という状態では同じ話ができません。既存ページと営業の質問から今回の対象に関係する部分を選び、わからない情報は未確認として残します。数字を合わせるために推定値を足す必要はありません。

そのうえで、更新できない情報が増えていないかを議題にします。営業の感覚も、画面上の数字も、どちらか一方で結論を決めません。たとえば対象外の相談が増えたという意見があれば、相談の分類方法と該当する説明を確認します。計測できない部分があれば、まず記録の仕方を決めます。改善案は、確認できた問題と対応する形で書き出します。

作業を始める前に、執筆より先に資料の集め方を決めることを担当者同士で確認します。担当と期日が曖昧だと、本文を直しても関連する案内が古いまま残るなど、変更が途中で止まります。公開や配信へ進む担当、内容を確認する担当、結果を見る担当を決め、引き継ぎに必要な資料を添えます。個人の記憶だけに頼らないための整理です。

終了の判断は、作業が済んだかと、目的に近づいたかを分けます。文章や設定を更新できたことは作業の完了です。相談の質や運用の負担が変わったかは、一定の期間を置いて確認します。結果が出る前に成功と扱うことも、短期の変化だけで失敗と扱うことも避け、次に確認する条件を残します。

公開・運用後の確認と次の改善

変更後は、作業負担と相談の変化を分けて見ることから始めます。確認する日を決めずに毎日数字を眺めても、比較の条件は揃いません。対象期間、曜日や季節、ほかの施策の変更があるかを記録します。特に複数の担当が同時に改善を行う場合は、どこがいつ変わったかがわからないと、結果の説明が難しくなります。

改善の前後には、対象全体の合計と、個別の内訳を両方見ます。全体が増えていても、重要な対象では変化していないことがあります。逆に合計が大きく変わらなくても、依頼に近い情報へ進む人が増える場合があります。担当者が更新できる記事群を中心に見るという最初の方針へ戻り、目的に関係する変化を整理します。

想定と違う結果になったときは、すぐに元へ戻す前に、仮説と観察を分けます。「説明が不足している」は仮説であり、「同じ質問が相談で繰り返された」は観察です。観察したことを具体的に残せば、別の担当者にも検討できます。企画、確認、公開の担当について、最初に揃えた条件が途中で変わっていないかを確認することも必要です。

次の改善は、情報が足りない部分を埋める作業と、効果を確かめる作業を分けます。前者は資料や説明を揃えることで完了を確認できます。後者は、期間や対象を決めて比較します。すべてを同じ期限で評価する必要はありません。確認できる範囲から小さく始めるという基本へ戻り、今回の結果から何がわかったか、何が残ったかを短い文章にまとめましょう。

社内で続けるSEOの確認サイクル
社内で続けるSEOの確認サイクル。本文の確認事項を整理した図。

よくある質問

最初にどこから着手すればよいですか?
担当者が更新できる記事群のうち、事業への影響が大きく、根拠を確認できる対象を選びます。既存ページと営業の質問を集め、未確認の条件を分けてから変更します。全体を同時に見直すより、担当者が確認できる範囲を決め、終了後に別の対象へ広げる進め方が現実的です。

担当者が少ない場合はどう進めますか?
企画、確認、公開の担当について、情報を確認する人と作業する人を決めます。同じ人が担当する場合でも、編集と確認の時間を分けると誤りに気づきやすくなります。執筆より先に資料の集め方を決めるための資料を一つにまとめ、更新のたびに新しい書類を増やしすぎないようにします。

成果はどのように判断しますか?
作業負担と相談の変化を分けて見ることを基本にします。変化が見られても、ほかの施策や時期による影響を除けるとは限りません。更新できない情報が増えていないかも確認し、結果から言えることと、追加の確認が必要なことを分けて報告します。作業の完了だけで成果を断定しません。

参考資料

公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月4日。

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この記事を書いた人

株式会社curve 代表取締役 野澤 孝理

株式会社curve 代表取締役

野澤 孝理

GMOインターネット株式会社を経て、株式会社エクスコアに創業メンバーとして参画し、株式会社curveを創業。デジタルマーケティングを軸に、Claude CodeやCodexを活用したサイト・LP制作、解析ツールの導入、業務システムの構築まで、「AIマーケ×AI開発・内製化」を支援しています。AIメディア「AIテックベース」を運営。

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