歯科医院のMEO対策で最初に整えること

歯科医院のMEO対策で最初に整えるのは、Googleビジネスプロフィールの基本情報と、写真・口コミを扱うときのルールです。MEOとは、Googleマップなどの地図の検索で、医院を見つけてもらいやすくする取り組みです。「〇〇駅 歯医者」「近くの小児歯科」と検索した人は、地図に並んだ医院の診療時間、写真、口コミを見比べて予約先を決めます。

Googleは、地図を含むローカル検索の順位を「関連性」「距離」「知名度」の3つで決めると説明しています。距離は医院側では変えられません。関連性はプロフィールの情報を正確に充実させることで、知名度は口コミの数や評価、医院について書かれたウェブ上の情報などで高まるとされています。

歯科医院には、医療機関ならではの前提があります。医院が自分で載せる写真や投稿、口コミへの返信は医院の表示です。そのため、厚生労働省の医療広告ガイドラインの考え方で確かめる必要があります。体験談、説明のないビフォーアフター写真、他院より優れていると示す表現は、プロフィール上でも避けます。

参考:Google ビジネス プロフィール ヘルプ:Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント

医院名・カテゴリ・診療時間を正確に整える

歯科医院のプロフィールは、医院名を看板と同じ正式名称にし、カテゴリを医院の中心を表すものに絞り、診療時間を昼休みや祝日まで正確に入れることから始めます。Googleのビジネス情報のガイドラインでは、名前にキャッチコピーやサービス内容、所在地の情報を加えるとプロフィールが停止される場合があるとされています。

項目整え方避けたいこと
医院名看板や診察券と同じ正式名称「〇〇歯科 インプラント・矯正 〇〇駅前」のように診療内容や地名を足す
カテゴリ医院の中心を表すものをできるだけ少なく選ぶ検索されたい言葉に合わせて、実際に行っていない診療のカテゴリを足す
診療時間午前と午後を分けて入れ、祝日や年末年始は特別営業時間で示す変更後も古い時間のまま放置する
電話番号・ウェブサイトホームページと同じ番号と、医院の公式ページ予約サイトの番号や、別の医院と共通のページ
ビジネスの説明診療内容、設備、アクセスを事実で書く「地域No.1」「痛くない治療」などの表現

歯科医院では、予約の方法と急な痛みへの対応も、プロフィールで先に答えておきたい情報です。電話予約かウェブ予約か、初診はどちらで受け付けるのか、当日の急患をどう受け入れるのかを、ビジネスの説明に事実として書きます。ウェブ予約の仕組みがあれば、予約のリンクも設定します。

医院の名前、住所、電話番号、診療時間は、ホームページ、予約サイト、地域の医療情報サイトでも同じ内容にそろえます。情報が食い違うと、患者が電話番号や休診日を間違える原因になります。

参考:Google ビジネス プロフィール ヘルプ:Google に掲載するビジネス情報のガイドライン

写真と投稿は医療広告ガイドラインの考え方で確かめる

歯科医院のプロフィールに載せる写真と投稿は、来院前の不安を減らす事実の情報に絞ります。厚生労働省の「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」では、医療機関の公式SNSに説明のないビフォーアフター写真を載せる例が、不適切な例として示されています。術前・術後の写真には治療内容、費用、主なリスクなどの詳しい説明が必要とされているため、説明を十分に添えにくいプロフィールの写真欄には載せない方が安全です。

載せたい写真の例は次のとおりです。

  • 外観と入口(初めての人が迷わないように、通りからの見え方も)
  • 受付、待合室、診療室、キッズスペース、バリアフリーの設備
  • 駐車場や駐輪場、最寄り駅からの道順の目印
  • 院長やスタッフ(本人の同意を得たうえで)

投稿は、休診日や診療時間の変更、予約方法の案内、新しい設備の紹介など、事実を伝える用途に向いています。「今だけホワイトニング半額」のように費用を強調する投稿は、医療広告ガイドラインで品位を損ねるものとして慎むべきとされている表現にあたるおそれがあります。写真に患者が写り込む場合は、顔やカルテ、予約表が見えないかも確かめます。

口コミは見返りなしで、来院した全員に同じ方法で依頼する

歯科医院の口コミは、来院した患者全員に同じ方法で案内し、見返りや書く内容の指定をしないことが原則です。Googleのポリシーでは、金銭や割引と引き換えの口コミ、肯定的な口コミだけを選んで募ること、否定的な口コミの投稿を妨げることが禁止されています。

医療広告の面でも注意が要ります。医療広告ガイドラインの考え方では、医院が患者に肯定的な口コミの投稿を頼むと、謝礼を出すかどうかにかかわらず誘引性が生じ、治療の内容や効果を書いた口コミは禁止されている体験談の広告にあたるおそれがあります。また、景品表示法のステルスマーケティング規制(2023年10月1日施行)について、消費者庁は、星5を付けることを条件にした特典を出して投稿させた口コミや、感想を医院に都合よく直すよう頼んで直させた口コミを、事業者の表示(広告)にあたるとしています。

依頼のしかた扱い
会計時に全員へ口コミ用のQRコードを案内するGoogleが案内している依頼の方法
満足していそうな人にだけお願いする肯定的な口コミを選んで募る行為として禁止
投稿した人にクリーニングの割引や歯ブラシを渡す見返りとして禁止。医療広告の面でも問題になりうる
スタッフに投稿を頼む雇用関係などの利益相反に基づく投稿として禁止
「痛くなかったと書いてください」と頼む内容への働きかけとして避ける

院内では、受付に口コミ用のQRコードを置くだけでなく、案内するときの言葉もスタッフでそろえます。「よろしければ、ご感想をGoogleマップにお寄せください」のように、評価の高さや内容を求めない言い方にします。このような中立的な頼み方の扱いは公的な文書に明記がないため、文面は院長が確かめ、肯定的な投稿を求める言葉を入れないようにします。「口コミを増やします」と投稿の代行を持ちかける業者の提案は、断るのが安全です。

歯科医院の口コミの流れ
口コミは全員に同じ方法で案内し、返信と院内の改善につなげます。

参考:マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー ヘルプ:禁止または制限されているコンテンツ

口コミへの返信は患者の情報に触れずに書く

歯科医院の口コミへの返信では、投稿者が患者であることや治療の内容に触れず、感謝、説明、改善の姿勢を短く書きます。個人情報保護委員会と厚生労働省のガイダンスでは、歯科医師の守秘義務の根拠として刑法第134条、歯科衛生士は歯科衛生士法が挙げられています。投稿者が書いていない来院日や治療内容を返信で明かすと、守秘義務や個人情報の扱いの問題になりかねません。

Googleも、否定的な口コミに返信するときは投稿者の個人情報を公開せず、個人攻撃をせず、電話などでの直接の連絡を促すよう案内しています。返信も医院の表示なので、「当院のインプラントなら長くもちます」のような効果をうたう書き方も避けます。

以下は架空の例です。「待ち時間が長く、説明も早口で分かりにくかった」という口コミには、「ご不快な思いをおかけし、申し訳ありません。予約の取り方と説明の進め方を院内で見直しています。お気づきの点は受付のお電話でもお聞かせください。院長 〇〇」のように返します。「〇月〇日の根管治療では」のように、個別の受診内容には触れません。

良い口コミへの返信も同じです。治療の効果には触れず、投稿へのお礼と、気になることがあればいつでも相談してほしいという案内にとどめます。Googleは、すべての口コミに返信する必要はないとしています。返信する口コミを選ぶときも、良い口コミにだけ返して指摘には答えない、という偏りは避けます。

プロフィールの反応を確かめて改善する

歯科医院のMEO対策の効果は、ビジネスプロフィールのパフォーマンスで、検索語句、通話、ルート、ウェブサイトのクリックを月ごとに見て確かめます。パフォーマンスのデータは、オーナー確認を済ませたプロフィールで見られます。検索語句の数値は毎月の初めに更新されます。

  1. 検索語句で、「小児歯科」「インプラント」「土曜」など、医院が力を入れる診療や条件の語で表示されているかを見る
  2. 通話とルートの数を前の月と比べ、予約や来院の手前の動きが増えているかを見る
  3. ウェブサイトのクリックがあれば、プロフィールのリンク先が該当する治療のページに合っているかを見直す
  4. 口コミに繰り返し出てくる話題(待ち時間、説明、痛みへの配慮など)を拾い、院内の改善とホームページのよくある質問に反映する

検索語句の多くが医院名なら、表示されているのは主に医院をすでに知っている人です。「歯医者」「小児歯科」のような一般的な語での表示が増えているかを見ると、新しい患者に見つけてもらえているかを判断できます。数字は季節や連休でも動くため、1か月だけで判断せず、数か月の流れで見ます。

順位を約束する業者には注意します。Googleは、サードパーティが特別な手段で検索やマップの順位を約束したり操作したりすることはできないと説明しています。外部に運用を任せる場合も、プロフィールのオーナー権限は医院が持ち続けます。

よくある質問

参考資料

公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月23日(口コミの依頼と転載の医療広告での扱い、ステルスマーケティング規制の範囲は2026年10月24日に再確認)。

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この記事を書いた人

株式会社curve 代表取締役 野澤 孝理

株式会社curve 代表取締役

野澤 孝理

GMOインターネット株式会社を経て、株式会社エクスコアに創業メンバーとして参画し、株式会社curveを創業。デジタルマーケティングを軸に、Claude CodeやCodexを活用したサイト・LP制作、解析ツールの導入、業務システムの構築まで、「AIマーケ×AI開発・内製化」を支援しています。AIメディア「AIテックベース」を運営。

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