歯科医院のSEO対策で最初に決めること

歯科医院のSEO対策で最初に決めるのは、「どの場面の患者に、どのページで、何を答えるか」です。歯科の検索は「地域名+歯医者」だけではありません。「〇〇駅 歯医者 土曜」「子ども 歯医者 初めて」「インプラント 費用 〇〇市」のように、症状・治療名・条件が加わります。こうした検索に、トップページ1枚で答えることはできません。

もう一つの前提は、歯科医院のホームページが医療広告の規制対象だという点です。厚生労働省の「医療広告ガイドライン」(正式名称は医療広告等ガイドライン)では、2018年6月施行の改正医療法により、ウェブサイトも規制の対象になったと説明されています。受診を誘う意図(誘引性)があり、医院名が特定できる(特定性)医療の情報は広告として扱われる、とされています。SEOのために書いた文章も例外ではありません。2026年10月時点の最新版は、令和8年3月30日の最終改正版です。

Googleも、健康や安全に大きく関わる話題を「YMYL」と呼び、正確さと信頼性を特に重く見ると説明しています。歯科のSEOは、ルールを守ることと検索で評価されることが同じ方向を向いている分野です。

参考:厚生労働省:医療法における病院等の広告規制について

医療広告ガイドラインで歯科のホームページに書けない表現

歯科医院のホームページでは、患者の体験談、説明のないビフォーアフター写真、他院より優れていると示す表現、効果を断定する表現は使えません。医療広告ガイドラインでは、これらが「比較優良広告」「誇大広告」「虚偽広告」や、省令で禁止された事項にあたるとされています。歯科医院のサイトでよく見かける表現を、扱いと書き換えの方向で整理します。

よくある表現ガイドライン等での扱い書き換えの方向
「地域No.1」「日本一」最上級の表現は、事実であっても比較優良広告として禁止とされる診療の流れや設備を、事実として具体的に書く
「絶対に痛くない」「必ず治る」医学上あり得ない断定は虚偽広告として扱われる痛みを抑えるために行っている処置と、感じ方に個人差があることを書く
「患者様の声」治療内容や効果に関する体験談は広告できない。口コミサイトからの転載やスタッフが書いた体験談も対象載せない。よく受ける質問への回答として、医院の説明で書く
「〇〇専門医」「厚生労働省認定」専門医は国の認定ではなく、「厚生労働省認定〇〇専門医」は虚偽、単に「〇〇専門医」は誇大として指導の対象広告できる資格に限り、団体名と資格名を併記する
「口腔管理体制強化加算 認定医院」届出制の加算を国が認定したように見せる表現は誇大広告「届出済み」と事実だけを書く
「今だけホワイトニング半額」費用を強調する広告は品位を損ねるものとして慎むべきとされる標準的な費用を条件とともに書く

「インプラントセンター」のような「〇〇センター」という名称にも条件があります。ガイドラインでは、法令や国の事業に基づく場合などを除き、誇大広告として扱うとされています。判断に迷う表現は、医院を所管する自治体や保健所の相談窓口で確認してください。

参考:厚生労働省:医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)

自由診療のページは「限定解除」の要件を同じページで満たす

インプラント、矯正、ホワイトニング、セラミックなどの自由診療の詳しい説明は、「限定解除」の要件を満たせばホームページに書けます。限定解除とは、患者が自ら求めて見るウェブサイトなどに限り、広告できる事項の制限を外せる仕組みです。医療広告ガイドラインでは、次の4つをすべて満たすことが要件とされています(3と4は自由診療の情報を出す場合)。

  1. 患者が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどであること
  2. 電話番号やメールアドレスなど、問い合わせ先を明示すること
  3. 通常必要とされる治療内容、標準的な費用、治療期間と回数を示すこと
  4. 主なリスクや副作用を示すこと

費用が一律でない場合は、最低額から最高額までの範囲を示し、よく発生する追加費用も含めるよう求められています。また、費用やリスクの説明をリンク先のページに置く形や、利点に比べて極端に小さな文字で書く形は採らないこととされています。

症例写真も同じ考え方です。術前・術後の写真には、写真ごとに治療内容、費用、期間・回数、主なリスクと副作用を同じ画面で添えます。事例解説書では、複数の写真にまとめて1つの説明を付ける形、クリックしないと説明が出ない形、バナー画像に写真だけを載せる形が、不適切な例として示されています。

自由診療ページを公開する前の確認の流れ
治療ページごとに、限定解除の要件と症例写真の説明を順に確かめます。

注意したいのは、リスティング広告やバナー広告は要件1を満たさないとされている点です。ホームページに書ける内容でも、広告文にそのまま使えるとは限りません。

患者の場面ごとに入口のページと情報を決める

歯科医院のSEOでは、患者の場面ごとに入口のページを1つ決め、その場面で迷う点に先に答えます。同じ「歯医者」の検索でも、急な痛みの人と矯正を比べている人では、知りたい情報がまったく違うためです。

患者の場面検索語の例入口のページ先に答えること
急な痛み・詰め物が取れた〇〇駅 歯医者 今日急患の受診案内当日の受け入れ条件、電話の要否、受付時間
子どもの初めての受診子ども 歯医者 初めて 〇〇区小児歯科初回にすること、保護者の付き添い、駐車場
入れ歯とインプラントで迷うインプラント 入れ歯 違い治療ごとのページと比較の解説治療方法の違い、費用と期間、主なリスク
矯正を検討している大人 矯正 期間 〇〇市矯正歯科相談の流れ、期間と通院回数、費用の範囲
定期健診に通いたい歯医者 定期検診 土曜予防歯科所要時間、予約方法、保険診療の範囲
久しぶりで受診が不安歯医者 久しぶり 怖い初診の流れ初診で行うこと、相談だけでもよいか

地域名の扱いには注意が要ります。隣の市や駅の名前だけを差し替えたページを量産すると、Googleのスパムに関するポリシーで「誘導ページ」とされるおそれがあります。地域名は、アクセス案内や通院できる範囲の説明など、実際の情報として書きます。

「地域名+歯医者」の検索では、地図の結果から医院を選ぶ患者もいます。診療時間、休診日、電話番号、予約方法は、ホームページとGoogleビジネスプロフィールで同じ内容にそろえます。医院が自分で出す投稿や写真も、ホームページと同じ考え方で確認します。事例解説書では、医療機関の公式SNSに説明のないビフォーアフター写真を載せる例が、不適切な例として示されています。

院長・歯科医師の紹介ページで信頼の根拠を示す

院長・歯科医師の紹介ページは、誰が治療するのかを患者に示す、歯科医院のSEOで欠かせないページです。Googleは、誰がどのように作ったコンテンツかを明確にすることを勧めており、YMYLの話題では経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)を特に重視すると説明しています。ただし、E-E-A-T自体は直接のランキング要因ではないとも明記しています。

紹介ページに載せたい情報は次のとおりです。

  • 氏名、顔写真、経歴(卒業した大学、勤務歴など事実として確認できるもの)
  • 所属学会と、広告できる専門性資格
  • 診療で大切にしている方針(効果の約束ではなく、説明の仕方や進め方)
  • コラムを書いた人・内容を確認した人と、確認した日

専門性資格には決まりがあります。厚生労働省の一覧(令和5年2月17日付)では、歯科医師について5団体5資格が示されています。ほかに、日本歯科専門医機構の認定がガイドラインに定められています。表示は「〇〇学会認定 〇〇専門医」のように団体名と資格名を併記します。「著名人も来院」のように他院より優れていると思わせる表現は、比較優良広告にあたるとされています。

Search Consoleで患者の検索語とページのずれを確かめる

Google Search Consoleの検索パフォーマンス レポートを使うと、患者が実際に使った検索語(クエリ)と、表示されたページの組み合わせを確かめられます。歯科医院では、治療ページごとに次の順で見ると改善点が見つかります。

  1. 期間を過去3か月にし、クリック数、表示回数、クリック率(CTR)、平均掲載順位を表示する
  2. 「ページ」で治療ページ(例:インプラントのページ)を指定し、「クエリ」の表で、どの検索語で表示されているかを見る
  3. 逆に「クエリ」で「インプラント」を含む語を指定し、「ページ」の表で、トップページやブログ記事など意図しないページが出ていないかを見る
  4. 表示回数が多いのにクリック率が低い組み合わせは、タイトルと説明文が患者の場面に合っているかを見直す
  5. 「費用」「期間」「痛い」など不安を表す語が多ければ、その答えがページの上の方にあるかを確かめる

地域名を含む検索では、地図の結果が上に出ることがあります。そのため、来院の入口のすべてが、ウェブ検索の数字に表れるわけではありません。Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスと合わせて見ます。

参考:Search Console ヘルプ:検索パフォーマンス レポート

よくある質問

参考資料

公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月23日。

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この記事を書いた人

株式会社curve 代表取締役 野澤 孝理

株式会社curve 代表取締役

野澤 孝理

GMOインターネット株式会社を経て、株式会社エクスコアに創業メンバーとして参画し、株式会社curveを創業。デジタルマーケティングを軸に、Claude CodeやCodexを活用したサイト・LP制作、解析ツールの導入、業務システムの構築まで、「AIマーケ×AI開発・内製化」を支援しています。AIメディア「AIテックベース」を運営。

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