SEOの効果測定ツールは、Google公式の無料ツールで足りる
中小企業のSEOの効果測定ツールは、Googleが無料で提供するツールの組み合わせで足ります。検索結果での表示、サイトに来た後の行動、ページの状態を、それぞれ別のツールで見るのが基本です。
この記事は、ツールの使い分けと、数字を自動で集める方法に絞ります。Search Consoleの画面の見方(検索パフォーマンスの指標の読み方と改善の進め方)は、「SEOの効果測定は何を見る?」の記事に任せます。
効果測定で知りたいことは、大きく3つに分かれます。
- 検索結果に表示され、クリックされているか
- 来た人が読み進め、問い合わせや予約につながっているか
- ページに、表示や評価を妨げる問題がないか
2026年10月30日時点で、GoogleとMicrosoftが無料で提供している主なツールを、役割ごとに並べると次のとおりです。
| ツール | 役割 | 主に見る人 |
|---|---|---|
| Google Search Console | 検索結果での表示・クリック・インデックス登録 | 集客担当、サイト管理者 |
| Google アナリティクス 4(GA4) | サイトに来た後の行動と問い合わせ | 集客担当 |
| PageSpeed Insights | ページの表示の速さと操作のしやすさ | 制作担当 |
| リッチリザルトテスト | 構造化データ(検索結果の見え方を伝える記述)の点検 | 制作担当 |
| Looker Studio | 複数のツールの数字を1枚のレポートにまとめる | 集客担当、経営者 |
| Bing Webmaster Tools | Bingでの表示とAI回答での引用 | 集客担当 |
ツールごとに分かること・分からないこと
各ツールは、分かる範囲がはっきり決まっています。足りない部分は別のツールで補います。
| ツール | 分かること | 分からないこと |
|---|---|---|
| Search Console | 検索語句ごとの表示回数・クリック数・クリック率・平均掲載順位、インデックス登録の状況、手動による対策 | サイトに来た後の行動、問い合わせの数 |
| GA4 | 流入元ごとの訪問、読まれたページ、問い合わせなどのキーイベント(GA4で成果として数える行動) | 検索結果に表示されたがクリックされなかった回数 |
| PageSpeed Insights | 実際の利用者の28日間の表示体験と、試験環境での測定結果 | 順位やクリック数 |
| リッチリザルトテスト | 構造化データの誤りと、対応するリッチリザルトの種類 | 実際にリッチリザルトが表示されるか |
| Looker Studio | つないだツールの数字の推移と比較 | つないだツールにない数字 |
Search Consoleのパフォーマンスのデータは、期間の選択で「過去16か月」まで選べます。Googleの検索セントラルの「Google 検索のトラフィック減少をデバッグする」は、季節の変動を見るために期間を16か月に変える手順を示し、それより長く残したい場合はSearch Console APIか一括データエクスポートでデータを取り出して保存する方法を案内しています。
Search Consoleは、毎日見る必要はありません。問題が見つかると、Googleからメールで知らせが届きます。
Search ConsoleとGA4をつないで、検索の前と後を見る
Search ConsoleとGA4は、リンク(連携)させると、検索語句とその後の行動を1つの画面で見られます。GA4のヘルプでは、リンク後に次の2つのレポートが使えると案内されています。
| レポート | 内容 |
|---|---|
| Google オーガニック検索クエリ | 検索語句と、Search Consoleの指標(クリック数・表示回数など) |
| Google オーガニック検索トラフィック | ランディングページ(最初に開かれたページ)ごとの、Search ConsoleとGA4の指標 |
リンクには条件と制限があります。
- GA4プロパティの編集者以上の権限と、Search Consoleプロパティの確認済み所有者の権限が必要
- 1つのウェブデータストリーム(GA4でサイトごとに作る計測の単位)と1つのSearch Consoleプロパティを、1対1でつなぐ
- 組み合わせられるGA4の項目は、ランディングページ・デバイス・国に限られる
- Search Consoleのデータは、収集から48時間たってから使える
Search ConsoleとGA4の数字は、一致しないのが普通です。Googleの検索セントラルは、主な理由として次の点を挙げています。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 計測のタグ | GA4のタグが入っていないページは数えられない |
| Cookieの同意 | 計測を断った人はGA4に入らない |
| 時間帯 | Search Consoleは太平洋時間で固定されている |
| URLのまとめ方 | Search Consoleは正規URL(代表のURL)にまとめて数える |
PageSpeed Insightsとリッチリザルトテストで、ページの状態を見る
PageSpeed Insightsとリッチリザルトテストは、1ページずつ状態を点検するツールです。毎月の数字を追うより、ページを公開・修正したときに使います。
PageSpeed Insightsは、2種類のデータを示します。
- フィールドデータ:Chromeの実際の利用者の、過去28日間の体験(CrUX:Chrome ユーザー エクスペリエンス レポート。Chromeの利用者の実測をGoogleが集めたデータ)
- ラボデータ:Lighthouse(Googleが提供する、ページの品質を自動で点検する仕組み)で、決まった条件で試しに測った結果
Googleは、2つの値が一致しないのは珍しくないとしています。順位に関係するCore Web Vitals(表示の速さ・操作への反応・表示のずれの3指標)は、次の基準で判定されます。
| 指標 | 良好 | 不良 |
|---|---|---|
| LCP(主な内容が表示されるまで) | 2.5秒以下 | 4秒超 |
| INP(操作への反応) | 200ミリ秒以下 | 500ミリ秒超 |
| CLS(表示のずれ) | 0.1以下 | 0.25超 |
サイト全体の傾向は、Search ConsoleのCore Web Vitalsレポートで見ます。似たページをまとめて判定するため、PageSpeed Insightsと数字が合わないことがあります。
リッチリザルトテストは、URLまたはコードを入れて、構造化データの誤りや警告を調べます。スマートフォンとパソコンの切り替えもできます。ただし、テストで誤りがなくても、リッチリザルトが表示されるとは限りません。
SEOの数字を自動で集める3つの方法
SEOの数字を自動で集める方法は、Looker Studio、Search Console API、一括データエクスポートの3つです。中小企業の月次の報告なら、Looker Studioで足ります。
| 方法 | 作業 | 費用 | 向いている場合 |
|---|---|---|---|
| Looker Studio | 画面の操作で、Search ConsoleとGA4をつなぐ | 無料 | 毎月の報告を自動で作りたい |
| Search Console API | プログラムを書いて取り出す | 無料(回数の上限あり) | 画面より多い行数が必要 |
| 一括データエクスポート | BigQuery(Googleのクラウドのデータ保管・分析サービス)に毎日書き出す設定をする | BigQueryの保存と集計に料金がかかる場合がある | データを長く残して細かく分析したい |
Looker Studioは、Googleが無料で提供するレポート作成ツールです。日本語のヘルプでは「データポータル」の名前でも案内されています。Search Consoleのコネクタ(接続の部品)には、サイト単位で集計する「サイトのインプレッション」と、ページ単位で集計する「URLのインプレッション」の2つの表があります。
Looker Studioのレポートは、メールで定期的に届けられます。無料版の主な条件は、2026年10月30日時点のヘルプで次のとおりです。
- 送る頻度は、最大で1日1回
- 宛先は最大50件。レポートのPDFが添付される
- 1つのレポートに設定できる配信の予定は1件
Search Console APIで取り出せるパフォーマンスのデータは、Search Consoleヘルプによると、検索タイプ(ウェブ・画像・ニュースなど)ごとに1日あたり5万行までです。APIを呼び出す回数にも上限があり、検索のデータはサイトあたり1分に1,200回までと、APIの使用制限のページに書かれています。一括データエクスポートは、設定後、最大48時間以内に最初の書き出しが始まります。過去の分は書き出されないため、それ以前のデータはAPIなどで別に保存しておきます。
Bing Webmaster Tools:Google以外の検索とAI回答を見る
Bing Webmaster Toolsは、Microsoftが無料で提供する、Bingでの表示を見るツールです。紹介ページでは、検索での表示の状況、サイトの技術的な問題を調べるサイトスキャン、キーワード調査、被リンク(他サイトからのリンク)の分析などが案内されています。
2026年2月10日には、AI Performanceという機能が公開プレビューで加わりました。Microsoft Copilot、BingのAIによる要約、一部の提携先のAI回答で、自社のページが出典として示された回数を確かめられます。
Google以外での表示も見たい場合に、Bing Webmaster Toolsを足します。
参考:Bing Webmaster Tools(紹介ページ)
目的別のツールの組み合わせ方
以下は、Googleの公式資料をもとにした、目的ごとの組み合わせの一例です。
| 目的 | 使う順番 | 見る数字 |
|---|---|---|
| 毎月の報告 | Looker Studio(Search ConsoleとGA4をまとめたもの) | クリック数、表示回数、問い合わせ数の前月・前年同月との比較 |
| クリックが急に減った | Search Console → Google トレンド → GA4 | 減ったページと検索語句、業界全体の検索の増減、問い合わせへの影響 |
| ページを公開・修正した | URL検査ツール → リッチリザルトテスト → PageSpeed Insights | インデックス登録、構造化データの誤り、表示の速さ |
| 問い合わせが減った | GA4 → Search Console | 問い合わせのあったページの訪問数、そのページの検索での表示 |
クリックが減ったときは、Googleの検索セントラルが公開している手順に沿って、ページ・検索語句のどこで減ったかを絞り込みます。Google トレンドで、業界全体の検索の減少かどうかも見分けます。
よくある質問
参考資料
公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月30日。
- Google:Search Console の使用を開始する
- Google:Search Console と Google アナリティクスのデータを SEO に活用する
- Google:Google 検索のトラフィック減少をデバッグする
- Search Console ヘルプ:検索パフォーマンス レポート
- Search Console ヘルプ:Core Web Vitals レポート
- Search Console ヘルプ:リッチリザルト テスト
- Search Console ヘルプ:Search Console API を使用して Search Console のデータをエクスポートする
- Search Console ヘルプ:一括データ エクスポートを開始する
- Google:Search Console API の使用制限
- アナリティクス ヘルプ:Search Console とのリンク
- Google アナリティクス(紹介ページ)
- Google:PageSpeed Insights について
- Google:データポータル(Looker Studio)
- Google:データポータルを Search Console に接続する
- Google:レポートの自動配信のスケジュールを設定する
- Bing Webmaster Tools(紹介ページ)
- Bing:Introducing AI Performance in Bing Webmaster Tools Public Preview
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