ドメイン貸しとは?サイトの評判の不正利用との関係

ドメイン貸しとは、自社サイトのサブディレクトリやサブドメインを第三者に貸し、第三者が作った記事を自社サイトの一部として載せる取引の俗称です。サブディレクトリは「example.co.jp/money/」のような下の階層、サブドメインは「money.example.co.jp」のような名前の前に付く部分を指します。ディレクトリ貸し、パラサイトSEOとも呼ばれます。

Googleは、こうした取引で起こりやすい行為を、スパムに関するポリシーで禁じています。ホストサイト(記事を載せる側のサイト)が自社のコンテンツで得てきた検索での評価を主に利用し、第三者のコンテンツを本来より上位に表示させようとする行為です。Googleの日本語の資料では「サイトの評判の不正使用」と呼ばれ、2026年10月時点のポリシーのページでは「サイトの評判に関するポリシー」という見出しで説明されています。

第三者のコンテンツとは、ホストサイト以外の人が作ったものです。Googleは例として、サイトの利用者、フリーランスの書き手、ホワイトラベルのサービス(他社が作ったものを自社の名前で出す仕組み)、ホストサイトに直接雇われていない人を挙げています。ただし、第三者のコンテンツを載せること自体は違反ではありません。違反になるのは、ホストサイトの評価を利用することが主な目的の場合です。

こうした提案が中小企業にも届くのは、長く運営され、取引先や団体のサイトからリンクされている企業サイトほど、検索での評価を借りる先として狙われやすいためと考えられます。提案する側は、新しく作ったサイトでは上位に出にくい記事を、評価の高いサイトの一部として載せたいわけです。

2024年から2026年までの変更点

サイトの評判に関するポリシーは、2024年に始まり、2026年8月にも更新されています。主な流れは次のとおりです。

時期内容
2024年3月5日新しいスパムに関するポリシーの1つとして発表
2024年5月5日適用を開始
2024年11月19日自社の関与があっても、第三者のコンテンツでホストサイトの評価を利用すれば違反になると明確化
2026年8月28日欧州経済領域(EEA)での運用の変更を発表。8月30日から、EEAの利用者には手動による対策の影響が出ない形に

2024年11月の更新では、ホワイトラベルのサービス、ライセンス契約、一部の出資といった形で自社が関わっていても、問題の本質は変わらないと説明されました。2026年8月の更新は、欧州委員会との協議を受けたもので、EEAの外では、これまでどおり違反した部分に手動による対策の影響が出るとされています。手動による対策とは、Googleの担当者が違反と判断したページの順位を下げたり、検索結果から外したりする措置です。対策が行われるとSearch Consoleで通知され、修正後に再審査をリクエストできる点は、2026年8月の更新後も続くと案内されています。

参考:Google 検索セントラル ブログ:サイトの評判に関するポリシーの更新(2026年8月)

違反になる例・ならない例|審査で見られる4つの点

Googleのポリシーのページでは、違反になる例として、教育サイトが他サイトにも載っている第三者の短期ローンの宣伝レビューを載せる場合や、医療サイトがサイトと関係のない低品質のカジノの広告ページを載せる場合を挙げています。一方、ニュースやプレスリリースの配信、フォーラムやコメント欄、コラムや論説、読者に向けたPR記事、適切に扱ったアフィリエイトリンクや広告枠は、違反とはみなさない例とされています。

人による審査では、ホストサイトの関与、編集上の監督、貢献が十分で、サイトに完全に組み込まれているかを判断するとされ、次の4つの点を見ます。どれか1つだけで決まるわけではありません。

見られる点中身自社で確かめること
提示の仕方デザイン、形式、使い勝手がホストサイトと一致しているか自社サイトのほかのページと同じ作りか
品質ホストサイトの本体にはない品質の問題がないか本業のページと同じ水準で確認しているか
作成者の情報所有や責任の所在が示されているか書き手と、自社の編集責任が書かれているか
他サイトへの掲載同じか近い内容が複数のサイトに載っていないかほかのサイトにも同じ記事が出ていないか
サイトの評判に関するポリシーの審査で見られる4つの点
第三者のコンテンツがサイトに組み込まれているかを判断する観点

ドメイン貸しの多くは、本業と関係のないテーマの記事を、貸した側がほとんど関わらずに載せる形です。この場合、4つの点のどれにも当てはまりやすく、違反と判断されるおそれが高くなります。

参考:Google:スパムに関するポリシー(サイトの評判に関するポリシー)

「サブディレクトリを貸してほしい」と言われたときの確認項目

本業と関係のない記事を載せるためにサイトの一部を貸してほしいという提案は、断るのが安全です。違反と判断されると、その部分に手動による対策の影響が出るうえ、自社のサイトに見知らぬテーマの記事が並ぶこと自体が、取引先や顧客の信頼を損ないます。判断に迷う場合は、次の項目を確かめます。

  1. 記事を書くのは誰か。自社が内容を確認し、直す権限を持てるか
  2. 記事のテーマは、自社の本業と関係があるか
  3. 同じ記事が、ほかのサイトにも載る予定はないか
  4. 報酬が、記事からの流入や成約の件数に連動していないか
  5. 契約が終わったときに、記事の削除と、リダイレクトをしないことを約束できるか
  6. Search Consoleやサイトの管理画面の権限を求められていないか

以下は架空の例です。「御社サイトの /column/ 以下に、金融に関する比較記事を毎月掲載させてください。記事の作成と更新はすべて当社が行い、掲載料を毎月お支払いします」という提案は、記事のテーマが本業と関係なく、自社が内容に関わらず、報酬の目的も検索での集客にあるため、項目1・2・4に当てはまりません。

1つでも答えられない項目があれば、受けないほうがよいと考えます。Googleは、SEOの業者を選ぶときの警戒すべき兆候として、頼んでいない営業メールを挙げています。突然の提案は、相手の会社と目的を確かめてから判断します。

自社サイトに第三者の記事を載せるときの線引き

取引先の寄稿や、外部の書き手に頼んだ記事を載せること自体は問題ありません。自社が企画と編集に責任を持ち、サイトの一部として作り込んでいれば、Googleが示す4つの点に照らしても問題になりにくくなります。

  • 書き手の名前と、自社が編集と内容の確認を行っていることを明記する。
  • テーマを、自社の本業と読者の関心に合わせる。
  • デザインや記事の形式を、自社サイトのほかのページとそろえる。
  • 同じ記事を、ほかのサイトに重ねて載せない。
  • 広告やPRの記事には、そうであることを分かる形で表示する。
  • 有料で載せるリンクには、rel="sponsored" を付ける。Googleは、広告や有料の掲載のリンクにこの属性を付けるよう案内しています。

寄稿を受け入れることが多い会社は、受け入れの基準を文書にしておくと判断がぶれません。テーマの範囲、編集と確認の担当者、広告の表示、掲載をやめるときの手順を決めておけば、担当者が代わっても同じ基準で判断できます。

すでに載せている場合の点検と外し方

すでに第三者の記事を載せている場合は、まずSearch Consoleの手動による対策レポートで、通知が出ていないかを確かめます。次に、第三者が作った記事を一覧にし、契約と内容を見直します。

  1. 手動による対策レポートとメッセージを確認する。
  2. 第三者の記事を一覧にし、テーマ、書き手、他サイトへの掲載の有無を書き出す。
  3. 本業と関係のない記事は、契約を見直して削除する。残す記事は、自社の編集の下に置く。
  4. 手動による対策を受けている場合は、修正したあとにレポートから審査をリクエストする。

Googleの2024年11月の説明では、問題の記事にnoindexを付けるだけでは手動による対策は自動で解除されず、Search Consoleで対応を説明する必要があるとされています。同じドメインの別のサブディレクトリやサブドメインに移しても解決せず、ポリシーの回避とみなされる場合があります。記事を新しいドメインへ移す場合は、元の場所から新しい場所へリダイレクトしないよう案内されています。削除した記事のURLは、404または410を返す形にします。相手先との契約には、掲載をやめるときの削除の期限と、作業を行う側を書いておきます。

参考:Google 検索セントラル ブログ:サイトの評判の不正使用に関するポリシーの更新(2024年11月)

よくある質問

参考資料

公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月23日。

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この記事を書いた人

株式会社curve 代表取締役 野澤 孝理

株式会社curve 代表取締役

野澤 孝理

GMOインターネット株式会社を経て、株式会社エクスコアに創業メンバーとして参画し、株式会社curveを創業。デジタルマーケティングを軸に、Claude CodeやCodexを活用したサイト・LP制作、解析ツールの導入、業務システムの構築まで、「AIマーケ×AI開発・内製化」を支援しています。AIメディア「AIテックベース」を運営。

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