SEO対策の見積もりで最初に確認すること|費用は作業の範囲で決まる

SEO対策の見積もりは、総額ではなく「どの作業を、どれだけ、いつまでに行うか」で比べます。SEO対策という言葉には、調査、サイトの技術的な修正、記事の制作、助言(コンサルティング)など、性質の違う作業が含まれるためです。同じ月額でも、含まれる作業が違えば比べられません。

Googleも、SEO業者が手伝える範囲として、サイトの内容や構成の見直し、リダイレクトなどの技術的な助言、コンテンツの制作、キーワードの調査、研修などを挙げています。見積もりを頼む前に、自社がどの作業を頼みたいのかを決めておくと、各社の見積もりの前提がそろいます。

社内で先に決めておくのは、次の5点です。

  • 目的:問い合わせ、予約、資料請求など、増やしたい成果
  • 対象:サイト全体か、特定のサービスページか、どの地域か
  • 社内でできること:記事の下書き、写真の用意、事例の提供など
  • 期間と予算の上限:まず試す期間と、月ごとに出せる上限
  • 現状の数字:Search Consoleのクリック数と、毎月の問い合わせ数

あわせて、予算をSEOだけに使うのが合っているかも考えます。SEOは成果が出るまでに時間がかかる一方、広告は出稿した日から表示されます。地域のお店や医院なら、Googleマップに出るビジネスプロフィールの整備(MEO)が先に効く場合もあります。見積もりの段階で、SEO・MEO・広告のどれから始めるかを相談できる相手だと、予算の配分を誤りにくくなります。

見積書の項目の読み方|架空の見積書で確認する

SEO対策の見積書は、項目ごとに「作業の中身」「数量」「成果物」の3つが書かれているかで読みます。以下は架空の例です。金額は省き、確認する点だけを示します。

項目(架空の例)数量・単位確認すること
サイト調査(初回)1式調べる範囲(何ページか)、報告書の形式、改善案に優先順位が付くか
内部の改善提案月1回提案だけか、修正作業まで含むか。修正は誰が行うか
記事制作月4本1本の想定文字数、構成案・取材・画像・修正回数の扱い
キーワード設計1式対象の語の数、問い合わせにつながる語を選ぶ根拠
月次報告月1回報告で見る指標、打ち合わせの有無と時間
外部対策1式中身の説明があるか。順位目的のリンク購入なら外す

「1式」と書かれた項目は、中身を書き出してもらいます。特に「外部対策」は注意が必要です。Googleのスパムに関するポリシーでは、順位を上げる目的でリンクを売買することをリンクスパムとしています。広告として買うリンクは、rel="sponsored" などの属性を付ければ違反にならないと説明されています。順位を上げるためのリンクの購入が見積もりに入っていたら、中身を確かめて外します。

見積書に書かれない費用もあります。社内の担当者が確認や打ち合わせに使う時間、順位計測などのツールの利用料、サイトを修正する制作会社の費用です。総額を比べるときは、これらも足して考えます。

記事制作の項目は、本数だけで比べないようにします。同じ「月4本」でも、キーワードの選定と構成案まで含むのか、文章を書くだけなのかで作業量が大きく違います。取材や写真撮影の有無、専門的な内容の確認を誰が行うか、公開作業まで含むかも確かめます。自社の事例や担当者の説明が入らない記事は、ほかの会社の記事と差が出にくくなります。

SEO対策の見積もりを比べる流れ
総額ではなく、作業の範囲と条件をそろえて比べる

参考:Google:スパムに関するポリシー(リンクスパム)

料金体系の違い|月額固定・成果報酬・スポット

SEO対策の料金体系は、主に月額固定型、成果報酬型、スポット型の3つです。どれが向くかは、成果の定め方と、自社が求める作業の範囲で変わります。

料金体系仕組み契約前に確認すること
月額固定型毎月決まった作業に定額を払う毎月の作業量と成果物、最低契約期間
成果報酬型決めた成果が出たときに払う「成果」の定義(順位か、問い合わせか)、測り方、上限額
スポット型調査や修正など1回の作業に払う作業の範囲、納品物、追加費用が出る条件

月額固定型では、作業の中身が見えないまま費用だけが続くことがあります。月次報告に、その月に行った作業と翌月の予定が書かれているかを、契約前に報告書の見本で確かめます。

成果報酬型では、対象の検索語の順位が上がった日数などで請求する形がよく使われます。この場合は、順位が上がっても問い合わせにつながらない語が対象になっていないかを確かめます。Googleは上位表示の保証を警戒すべき兆候に挙げているので、「必ず○位にする」と保証する契約は避けます。

依頼先の選び方|Googleが示す確認点を中小企業向けに置き換える

SEO対策の依頼先は、Googleの「SEO 業者の利用を検討する」に挙がっている質問を、自社の状況に置き換えて聞くと選びやすくなります。Googleは、SEO業者への依頼はサイトの評判に関わる大事な決定だとしています。

Googleが挙げる確認点中小企業が聞くときの言い方
過去の実績や成功例当社と近い業種や規模で、何をして何が変わったか
Google 検索の基本事項に沿っているかGoogleのルールに反する手法を使わないか
期待できる成果と時期、測り方何を指標にして、いつ判断するか
業界や地域での経験地域名で探されるサービスを扱った経験はあるか
変更の理由の説明修正の理由を、毎月の報告で説明してもらえるか
事業への関心当社の顧客や競合について、どんな質問をしてきたか

警戒すべき兆候として、Googleは、頼んでいない営業メール、上位表示の保証、Googleとの特別な関係の主張、手法を明かさないこと、Googleが承認したとうたうツールなどを挙げています。最初の打ち合わせで、こちらの事業や顧客について質問が少なく、施策の一覧だけを説明する会社は、提案が自社向けに作られていない可能性があります。

提案書を受け取ったら、次の4点を見ます。

  1. 現状の分析が、自社のサイトとSearch Consoleの数字に基づいているか
  2. 施策ごとに、どの成果(問い合わせ、予約など)につながるかが書かれているか
  3. 施策に優先順位が付いていて、最初の3か月に何をするかが分かるか
  4. 自社が用意するもの(写真、事例、確認の時間)が書かれているか

参考:Google:SEO 業者の利用を検討する

相見積もりの比べ方|比較表で条件をそろえる

相見積もり(複数の会社から見積もりを取ること)では、同じ依頼内容を同じ文面で送り、返ってきた見積もりを同じ表に並べます。依頼の文面がばらばらだと、各社が別の前提で見積もるためです。依頼の文面には、目的、対象のページ、社内でできること、予算の上限、回答の期限を入れます。

比べる項目見るポイント
作業の範囲調査、修正、記事、助言のどれを含むか
毎月の作業量と成果物数量と、納品される形が書かれているか
報告頻度と、報告で見る指標
修正の担当提案を実際にサイトへ反映するのは誰か
契約期間と解約最低契約期間、自動更新、解約の申し出の期限
追加費用どんなときに費用が増えるか
社内の負担自社が用意するものと、かかる時間

比べるときは、安さより「自社が何をしなくてよくなるか」を見ます。サイトの修正をいつもの制作会社が行う場合は、SEOの会社の提案を誰がいつ反映するかまで決めておきます。決めておかないと、提案だけが積み上がり、サイトは変わらないままになります。

契約前に確認すること|期間・解約・成果物・権限

契約前には、契約期間と解約の条件、記事などの成果物の扱い、アカウントの権限の3点を書面で確かめます。SEOは効果が出るまでに時間がかかるため、最低契約期間が付くことがあります。途中でやめるときの扱いを先に決めておくと、後のもめごとを防げます。

  • 契約期間:最低契約期間、自動更新の有無、解約の申し出の期限
  • 成果物:制作した記事、画像、調査の報告書を、解約後も自社で使えるか
  • アカウント:Search ConsoleやGoogleアナリティクスの所有者が自社になっているか
  • 権限:業者に渡す権限が、作業に必要な範囲に収まっているか

権限については、Googleが具体的に案内しています。SEOの監査(現状の調査)を提案された段階では、Search Consoleの閲覧の権限だけを渡し、書き込みの権限は渡さないよう勧めています。Search Consoleの権限には、所有者、フルユーザー、制限付きユーザーの区分があります。契約が終わったら業者のユーザーを外し、確認用のコード(所有権を確認するためにサイトに置くもの)が残っていないかも確かめます。所有者を外しても、確認用のコードがサイトに残っていると、その人は再び所有者になれるためです。

解約するときに受け取るものも、契約書に書いておきます。対象のキーワードの一覧、作業と設定変更の記録、記事の原稿データ、月次報告の元データがあれば、次の依頼先や社内の担当者が作業を引き継げます。

参考:Search Console ヘルプ:所有者、ユーザー、権限の管理

よくある質問

参考資料

公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月23日。

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この記事を書いた人

株式会社curve 代表取締役 野澤 孝理

株式会社curve 代表取締役

野澤 孝理

GMOインターネット株式会社を経て、株式会社エクスコアに創業メンバーとして参画し、株式会社curveを創業。デジタルマーケティングを軸に、Claude CodeやCodexを活用したサイト・LP制作、解析ツールの導入、業務システムの構築まで、「AIマーケ×AI開発・内製化」を支援しています。AIメディア「AIテックベース」を運営。

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