AI Overview対策の基本:特別な最適化は不要

AI Overview対策は、SEOの基本を整えることです。Googleは、AI Overview(日本語の画面では「AIによる概要」)やAIモードに表示されるために、追加の要件や特別な最適化は必要ないと案内しています。AIによる概要とは、検索結果の上部に、AIが複数のページをもとに作った要約と、参照したページへのリンクが表示される機能です。

Googleの案内では、AIによる概要に参照リンクとして表示されるための前提は、次の4つです。

  • ページがGoogleのインデックスに登録されている
  • Google検索でスニペット(検索結果の説明文)を表示できる状態になっている
  • Google検索の技術要件を満たしている
  • Search Consoleの「検索の生成 AI」設定で、サイトを除外していない(初期値は「含める」)

ただし、この4つを満たしても、表示が保証されるわけではありません。また、AIによる概要は、通常の検索結果に加えて役立つとGoogleが判断した検索にだけ表示されます。つまり、AI Overview対策の出発点は、通常の検索で見つけてもらえるページを作ることと同じです。

参考:Google:AI 機能とウェブサイト

この記事は、GoogleのAIによる概要(AI Overview)に絞って、表示の前提と流入が減ったときの確かめ方を解説します。AIO対策の全体像はAIO対策とは?、ページの内容の見直し方はAIO対策で見直したいコンテンツをご覧ください。

SEOへの影響:クリックが減る場面と、サイトが選ばれる場面

AIによる概要が表示される検索では、答えが検索結果の上で読めるため、サイトへのクリックが減ることがあります。一方で、比較や相談、申し込みのように、自社のサイトを開かないと判断できない検索では、サイトの役割は残ります。

Googleは、AIによる概要が表示された検索結果からのクリックは、質が高い傾向があると説明しています。また、AIによる概要とAIモードは、関連する複数の検索を行って回答を作るため、通常の検索より幅広いページへのリンクが表示されることがあるとしています。この仕組みはクエリファンアウトとはで解説しています。

検索の種類ごとの影響の出方は、次のように整理できます。以下はcurveの実務上の見立てで、Googleが公表している分類ではありません。

検索の種類例影響の出方の目安
言葉の意味や一般的な知識「〇〇とは」要約で用が済み、クリックが減りやすい
手順や方法「〇〇 やり方」要約で概要が分かり、詳細を見たい人だけが開く
比較や選び方「〇〇 比較」「〇〇 選び方」条件や根拠を確かめるためにサイトが開かれやすい
会社名やサービス名「社名 料金」公式サイトの情報が引き続き確認される
地域の店舗探し「地域名 業種」ビジネスプロフィールや地図の情報が重要になる

用語の解説記事のアクセスが減っても、料金ページや問い合わせが減っていなければ、事業への影響は小さい場合があります。アクセスの合計だけでなく、ページの役割ごとに見ることが大切です。

そのため、AIによる概要が広がった後は、見る指標を次のように分けると判断を誤りにくくなります。

  • 集客の入口:解説記事の表示回数とクリック数
  • 検討の段階:料金ページやサービスページの閲覧数
  • 指名の検索:社名やサービス名を含むクエリのクリック数
  • 事業の成果:問い合わせ、予約、来店の数

入口のクリックが減っても、指名の検索や問い合わせが保たれていれば、AIによる概要で社名を知った人が後から訪れている可能性もあります。クリックが減ったときの見方はゼロクリック検索とはで詳しく解説しています。

検索流入が減ったときの確認手順

検索流入が減ったときは、AIによる概要のせいと決めつけず、Search Consoleで「表示回数」「クリック数」「掲載順位」のどれが変わったかから切り分けます。Googleは、トラフィックが減る主な原因として、技術的な問題、セキュリティの問題、スパム対策、アルゴリズムの更新、検索ニーズの変化や季節性、サイトの移転を挙げています。

Googleの案内に沿った確認の順番は次のとおりです。

  1. 検索パフォーマンスの期間を過去16か月にして、毎年同じ時期に減っていないかを見る
  2. 比較機能で、直近3か月を前の期間や前年と比べる
  3. クエリ、ページ、国、デバイスで絞り込み、減った範囲を特定する
  4. サイト全体なら「ページのインデックス登録」レポート、一部のページならURL検査ツールで技術的な問題を確かめる
  5. Googleトレンドで、業界全体の関心が下がっていないかを見る

なお、Search Consoleでは、2025年5月13日から2026年4月27日まで、記録の誤りで表示回数が正確に集計されなかったと公表されています。クリック率も表示回数から計算するため、この期間をまたぐ前年比較や16か月の推移は、クリック数を中心に見てください。下の表で表示回数の変化を読むときも同じです。

見えた変化考えられる原因次に確かめること
表示回数も掲載順位も下がったアルゴリズムの更新、競合の変化、技術的な問題更新の時期、インデックスの状況
表示回数と順位は同じで、クリックだけ減った検索結果の見え方の変化(AIによる概要など)実際に検索して画面を確かめる
順位は同じで、表示回数が減った検索ニーズの変化や季節性16か月の推移、Googleトレンド
特定のページだけ大きく減ったそのページの技術的な問題や内容の古さURL検査、内容の更新日
検索流入が減ったときの切り分けの流れ
Search Consoleの3つの数字から、原因の候補をたどる

サイトのリニューアルやURLの変更をした直後に減った場合は、AIによる概要より先に、移転の影響を疑います。Googleは、サイトの移転後は再クロールとインデックス登録に時間がかかることがあると案内しています。

クリックだけが減ったクエリは、シークレットウィンドウで実際に検索し、AIによる概要が出るか、自社が参照リンクに入っているかを確かめます。Googleは、順位が2位から4位になるような小さな変動は自然に起きうるとして、良好なページを大きく変えないよう勧めています。

参考:Google:Google 検索トラフィックの減少をデバッグする

Search Consoleで見られるAI機能のデータ

Search Consoleでは、AIによる概要やAIモードでの表示は通常の検索パフォーマンス(検索タイプ「ウェブ」)に含まれ、さらに「生成 AI パフォーマンス レポート」でAI機能の中での表示回数を別に確かめられます。このレポートは2026年6月に発表され、2026年8月31日にすべてのサイトへ提供されたと案内されています。

項目内容
対象Google検索のAIによる概要とAIモード(Discoverは別のレポート)
指標AI機能の中でサイトへのリンクが表示された回数
切り口ページ、国、日付、デバイス
注意表示回数が少ないとレポートが表示されないことがある

ヘルプでは、同じサイトの結果が同じAI機能に複数表示されても、グラフではサイト単位で1回と数えると説明されています。そのため、グラフの合計と表の合計が一致しないことがあります。

参考:Search Console ヘルプ:生成 AI パフォーマンス レポート(検索)

Googleの公式見解:やること・やらなくてよいこと

Googleは、生成AI検索向けの最適化もSEOの一部であり、AEOやGEOと呼ばれる取り組みも検索体験の最適化に含まれるとしています。そのうえで、やることと、やらなくてよいことを分けて案内しています。

やることやらなくてよいこと
クロールを妨げない(robots.txt、配信の設定)llms.txtなどAI向けの特別なファイルを作る
内部リンクでページを見つけやすくする文章をAI向けに細かく分ける
重要な内容をテキストで書くAIのために文章を書き換える
画像や動画で内容を補うネット上の言及を作為的に集める
構造化データを表示内容と一致させる構造化データに過剰に取り組む
ビジネスプロフィールを最新に保つ—

構造化データは、生成AI検索のために特別なものは必要ないとされていますが、リッチリザルトの対象になるため、使うことは引き続き勧められています。

参考:Google:Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する

AIによる概要に紹介されやすいページへの見直し

見直すべきなのは、お客様の質問に、自社ならではの事実で答えているページです。AIによる概要は複数のページから要約を作るため、どこにでも書かれている説明より、料金の条件、対応できる範囲、実際の手順のように、そのページにしかない情報があるほうが参照される理由になります。

  • 見出しの直後で、その問いに言い切りで答える
  • 料金・期間・対応地域などの条件を、数字と一緒に書く
  • 情報を更新した日を示し、古い内容を残さない
  • よくある質問を、実際の問い合わせから作る
  • 会社名や住所の表記を、ビジネスプロフィールとそろえる

以下は架空の例です。リフォーム会社のサービスページに「丁寧に対応します」とだけ書かれている場合、AIにも読み手にも、何が他社と違うのかが伝わりません。「世田谷区と目黒区で、問い合わせから2営業日以内に現地調査の日程を提案します」のように、地域・期間・内容を具体的に書くと、条件を比べたい人の質問に答えるページになります。

自社の見え方は、お客様の相談に近い質問を10〜20個決め、日を変えて検索し、自社が参照リンクに入ったか、説明が正しいかを記録して確かめます。

よくある質問

参考資料

公式資料の事実と、本文の実務上の提案・架空の例を分けて記載しています。確認日:2026年10月23日。

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この記事を書いた人

株式会社curve 代表取締役 野澤 孝理

株式会社curve 代表取締役

野澤 孝理

GMOインターネット株式会社を経て、株式会社エクスコアに創業メンバーとして参画し、株式会社curveを創業。デジタルマーケティングを軸に、Claude CodeやCodexを活用したサイト・LP制作、解析ツールの導入、業務システムの構築まで、「AIマーケ×AI開発・内製化」を支援しています。AIメディア「AIテックベース」を運営。

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